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その店の名は『かなぐつや』

私が子供の頃住んでいた家の近所に
"かなぐつや"という名のお店がありました。
頭の中では金靴屋と書くのかな?と思っていたのですが、あらためて検索してみると

馬の蹄の裏に打ち付ける鉄製の半輪形のもの、蹄鉄(ていてつ)

金製または金色のくつわ、金轡(きんぐつわ

とありました。
どんないわれでその屋号にしたのか気になります。
売っている物はちょっとした生活用具や食料品だったり
店先には駄菓子が並んでいました。

すっかりその店の存在を忘れていたのですが
先日、昔使っていたSNSの
自分が書いた日記を見返す機会があり
その日記に私のいとこがかなぐつやに関するエピソードをコメントしてくれていたのを見つけました。
内容はこんな感じです。

→ふたりがまだ小学生の頃、確か正月に
いとこの私が何か買いたいモノがあったんだと思います。
一緒にある商店へ行きました。

店内で私が目的のモノを探していると
文九さんが店のおばさんに向かって

「ブルーベリーガムありますか?」

文九さんはこんな寂れた店にブルーベリーガムなんて売っていないだろうと思って聞いたそうです。

そして、
     「ありません」
と言われたら

「なんだ売ってねぇのか! しょっべえ店だなぁ!!」

と言ってやろうと(笑)。
チャレンジャーですね。
しかし、おばさんの答えは

「ブルーベリーガム.....これ?」

でした。
文九さんは渋々ブルーベリーガムを二つ買いました。
私の分も買ってくれたんです。
おぼえてないですか?←

震えました。
なんて悪い子なんでしょ。

そんな出来事はスッカリ忘れてたのに
古い日記を見返して思い出しました。
これもデジタルタトゥーなんでしょか。

思い出はすでに遠くに過ぎ去り、記憶の彼方へ流れていたのですが
このコメントがきっかけで
墓参りの帰り道に、回り道をして店の前を通りました。
家屋はあったのですが看板ははずれて
店はシャッターが閉まっていました。

SNSの存在意義を考えさせられるいい機会になったと
いい感じにまとめてここらでしめましょう。

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