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秋
じわっと汗ばむくらいに暖か〜い日々から、急に冷たい風に刺される日々になった11月。「秋とかなかったよね?」なんて友だちと愚痴っていたけど。
秋、ありました。
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先日、神宮外苑のイチョウ並木を観に行った。オフィスから歩いて行ける距離にあるのに、去年は行き損ねてしまったので、「今年こそは」とちょくちょく紅葉見頃情報サイトをチェックしていたのだ。
紅葉と予定と気力が合致した平日の朝、目の前に広がったのは、雲ひとつない青空の下、ドカンと黄色く染まった景色だった。
おわりが見えないほどずらーっと並んだイチョウの木と、鼻をグッと潰されるようなぎんなんの匂い。通路を埋める外国人観光客のみなさん、笑顔を向けられるスマートフォン。
まぎれもなく秋だった。大迫力で、にぎやかな秋。「めちゃくちゃ秋だ〜!」と思った。
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三角ポールの規制も迫る車もものともせずに、道路のど真ん中でしっかり記念撮影する人たちにびっくりしたり、孫の視線を惹こうと必死なじいじとばあばに微笑ましくなったり。
並木道ではいろんな光景が見えたけど、わたしがいちばん目を惹かれたのは、大学生くらいの女の子2人組が持っていたイチョウの〝バラ〟だった。
子どもの頃住んでいたマンションの裏に、砂利が敷かれた駐車場があって、秋になると、わたしたちはそこで毎日陽が暮れるまでイチョウの葉を集めて重ねて〝バラ〟を作っていた。毎日、毎年、飽きもせず。「この葉っぱきれいだよー」「輪ゴムどこー?」「めっちゃ上手くできたくない?」とキャイキャイ言いながら。
まったく別の世界で生きてきたあの女の子たちも同じような思い出があるのかなと想像して、不思議な親近感が湧いた。そして、大きくなった今も一緒に葉っぱ集めをしてキャイキャイできる友だちがいるのいいなあ、とうらやましく思った。かわいかった。
一方、大きくなったわたしは、「これはnoteに書けるかなあ」と見える景色を観察しながら、ひとり、ずんずか歩き通した。
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