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「Project Egg」(たぶん)唯一無二のレトロPCゲームの復刻サービス

Project Eggというサービスをご存じだろうか?
大昔の、Windows95が出るよりも前の時代のパソコンゲームを復刻しているサービスだ。

筆者は昔NECの「PC-98」というパソコンを使用していた。
筆者はPC-98が大好きだった。
どのくらい好きだったかは過去のエントリを見てほしい。

Project Eggを利用すれば、PC-98用のゲームがまた遊べるのだ。

パソゲーの復刻サービスって他にないよね

「パソコンゲームの復刻」は、他の会社は現状、ほとんどやっていない。

日本はIT立国。
クールジャパン
漫画アニメゲームを海外でも通用する文化として育てる。

…国はこんなことを言ってるけど。
PC-98をはじめとするパソコンゲームについては、過去の名作の保存再現、アーカイブが全然出来てないじゃないか。
ちゃんちゃらおかしい。何がクールだ。

違法性がまったくない、知識ゼロの一般ユーザーが利用できる商用サービスで、パソゲーが復刻されてるのって、いまはProject Eggだけなんじゃないかな? 他にもあったらごめん。

レトロゲームを遊ぶ方法

昨今、レトロゲームを遊ぶ方法自体は増えてきている。
ファミコンを遊びたければ、Nintendo Switchオンラインに加入するとソフトはさすがに全種類とはいかず何本かだけだけど、ファミコンで遊ぶことができる。

追加のサブスクでメガドライブと64のゲームも少し遊べる。

ニンテンドークラシックミニ(小さいファミコン)を買うという手もある。

この小さいゲーム機は色々な会社からいろいろな機種が出ていて、アーケード筐体のものもある。

そのほか、Wiiや3DSにもバーチャルコンソールがあったし…

PS4やXboxOne、Switchに昔のゲーセンのゲームをそっくりそのまま移植する「アーケードアーカイブス」シリーズが展開している。

なんなら秋葉原にでも行けばまだ実機や互換機が売られており、ソフトも売ってる。当時ものでも遊ぶことができる。

家庭用ゲームと、アーケードゲーム(ゲーセンにあったゲーム)は、現在も比較的プレイできる環境があると言える。
マイナーなタイトルは無かったりするけど。比較的、ね。

しかし、パソコンゲームの復刻は全然されてない。

Windows95が出た時。
それまでに発売していたゲームのWindows版…復刻盤というべきか…を制作してた会社もあった。
コーエーの信長の野望とか。

しかし…画面の再現性はあまり高くなかった。

Win版の信長(武将風雲録)はUIコレジャナイ感が強かった…

地図の部分はまあいいとして。
文字の部分がぐっと来ない。うーん同じゲームなんだけど。そうじゃないんだよな。って感覚が付きまとうものが多かった。

Windowsが出たばっかの頃のゲームって、Windows標準のウインドウとかフォントとかを使ってUIを構成してるゲームが少なくなくて「コレジャナイ」感があったんだよね。

思い出補正ももちろんあるんだろうけど、PC-98版のほうが美しかったな。なんて思う。

Windowsの標準フォントとPC-98の標準フォントは少し違ってて、等幅でガッチリ目のフォルムのフォントが高解像度(640x400)ディスプレイにビッシリと並んだPC-98のシミュレーションゲームのステータス画面は、当時のナイコン族には憧れに近い感情を、所有者には所有欲を満たす誇らしさを与えてくれていた、と思うのだ。

当時ファミコンやスーファミでは、小さいフォントでは漢字が表示できなかったからなおさらそう感じたのかもね。

これはスーパーファミコン版の武将風雲録 漢字つかわれてるけど文字が大きい

Project Eggならば、当時そのままのゲームでもう一度遊ぶことができる。
(信長の野望は配信されてないけど)

利用方法

Project Eggを利用する方法は以下の通り
1.Prioject Eggの会員登録をする

なにはなくとも、こちらで会員登録をして、会員になる必要がある。
会員登録は無料ではなく、決済はクレジットカードが必要。
金額については後述。

2.配信されているゲームから遊びたいのを選んで購入

会員登録後、こちらに配信ゲームの一覧があるので、欲しいゲームを購入する。

Project Eggのウェブサイト

いくらか無料のゲームもある。けれど、基本は有料だと思った方が良い。
有料のものは1本ごとに購入代金がかかる。
金額については後述。

3.Egg ランチャーをダウンロード

購入が終わったら遊ぶための準備だ。
マイページから[EGGランチャー]というソフトをダウンロードしよう。
[EGGランチャー]は会員ならば無料でダウンロードできる
(月会費を払っていないユーザーはダウンロードできないので注意)
起動すると、上記2で購入したゲームタイトルの一覧が表示され、遊びたいものを選んで起動することができる。

EGGランチャー

料金

Project Eggで遊ぶには、
・毎月の会費(550円/月)
・ゲームの購入代金(タイトルにより値段は異なるけど550円~990円くらい/買い切り)
の二つを支払う必要がある。

ただ、一度購入したゲームは、月会費の支払いを停止した後でも遊ぶことができる。
ただし、
・EGGランチャーのダウンロードはできなくなる
・PC壊れて買い替えた時とかのライセンス移行ができなくなる
・ゲームの再現性にバグなどで問題があったのがアプデで直された場合などのダウンロードはできない
・Project Eggのページで購入履歴を参照するなどができなくなる
…といった形で、基本、サポートを受けることができなくなる。

それでもかまわん!という上級者は、
加入した後、欲しいゲームを一気に全部購入して、全部ダウンロードしたあと月会費の支払を止めてしまう。という荒業を使用することで毎月の支払を節約することができるかも?(非推奨)

20周年キャンペーン

いまProject Eggはサービス開始20周年を記念して大キャンペーンを行っている。

普段はソフトの値段が550円~990円くらいなのだが、キャンペーン中は最大半額!を謳っており330円~440円ほどになっている
(複数ゲームのセット売りなど、もっと値段するコンテンツも無くはない)

また、毎月月替わりで無料になるタイトルが5本ずつ登場する。
(月が替わると、前の月に無料だったゲームは有料に戻ってしまうようだ)

このキャンペーン、昨年の11月から行われていて
今月、11/23でキャンペーン終了となる。
そのため「無料タイトルが毎月5本ずつ」についてはもう今出ている5本でお終いということになるけど…。
それでも、欲しかった、当時持ってて嵌ってたタイトルを安価に手に入れるチャンス!

そのほかEggのいいところ、悪いところ

①当時のパソコンが不要
これはまぁ、当たり前っちゃ当たり前だけど。Windowsで利用できるサービスなので、当時ものの古いPCが不要な点がまず良いところであるといえる。
ブラウン管のモニターも不要だし、フロッピーディスクをカビないように湿気に気を付けて保管する必要もないし、フロッピーのドライブがベルトが切れて動かなくなってしまう恐怖ともオサラバできる。

②ゲームのマニュアルがPDFで見れる
これは超イイサービスだと思う!
いまのところ、配信されている全タイトルではなく一部のタイトルのみなんだけど、マニュアルをPDFで配布しており、EggランチャーでDL可能、閲覧ができるのだ。

PDFをWebブラウザとかで読める

おそらく運営さん、メーカーさんと相談して権利の話付けた後に、現物のゲームを吸い出してWindowsで動くようにしているんだと思うんだけど。
その折にマニュアルが手元にある場合はPDF化してるんじゃないかな。
メーカーがもう潰れていますとか、ディスクの現物がもうない。みたいなタイトルの場合、社員さんが秋葉やヤフオクで買ってきたソフトとか、個人で持ってるソフトとかを(許諾を得て)吸い出したりしてるんじゃないかと勝手に想像してるんだけど。マニュアルが紛失してる場合は配信できない、とかなのでは。

筆者が個人的に購入したProject Eggのゲームの中で、マニュアルPDFがDL出来たものは半分くらいだった印象。
これは他ではあんまり見たことがないサービスだ。バーチャルコンソールとかは電子説明書がついてたけど、当時ものそのまんまではなかった。

当時のパソゲの取説、意外と厚くて読み物が充実してたり、スタッフの落書きみたいなコーナーがあったり、ワープロ出力したっぽい物だったり、当時の文化を知るという意味でもバラエティ豊かで面白い。

これは掛け値なしに素晴らしいサービス。ぜひ全タイトルのマニュアルPDF化を目出して頑張ってもらいたい。

また当時のパソゲーは不正コピー対策として、付属のマニュアルなどの紙ものに印刷されてるパスワードを入力しないと起動しないものがあった。
ゲームスタート時に「付属の地図のA-3に書かれている入り江の名前は?」みたいな質問があるんだよね。
これ、ゲームを復刻する時にプログラムをハックして無くしてしまうこともできるのだろうけど、地図を同梱できればそのまんまを再現できるもんな。

コピー対策なんて当時は「めんどくせえな、早く遊ばせろよ」って思ってばかりで嫌いだったけど、今となっては愛おしさすら感じる。

要望したいこと① 欲しいゲームのリクエスト受付窓口
Project Eggのウェブサイトを見た感じ(2022/11月時点では)まだ配信されていないゲームのなかでユーザーが遊びたいゲームのリクエストを受け付ける窓口がないように見受けられる。

月会費の支払を止める手続きをするページで「支払い停止」をクリックする直前にアンケートが出てくるんだけど、そこには「ほかに遊んでみたいゲームはありますか?」という項目があるんだけど。
毎月お金を払って支える気があるユーザーに対しては、その窓口がない。
叶えてもらえなくても、ある程度仕方ないことだなっていうのはわかるから、それでもいいから要望を吐き出せる窓口が欲しい…!

要望したいこと② コントローラー周辺機器関連
大昔のパソコンゲームは、わりとテンキーを使うゲームが多い。
↑↓←→のカーソルキーでなく、テンキーじゃないと動かせないものもある。
それ自体は当時のままなのでまあいいとして。

使ってるパソコンがデスクトップ機ならあまり問題にならないけど、ノートパソコンのキーボードにはテンキーが無いので、操作性が少し悪くなってしまう。(オプション設定で解消できるゲームもある)
また、ゲーム用のジョイパッドがあったほうが捗るゲームも中にはある。
キーボードだけで遊べるか、ノートPCのキーボードでも問題なくイケるか?などの情報がゲームの購入ページに分かり易く記載があると嬉しいかも。

クールなゲームカルチャーをエンジョイしつつ守り支えよう

以上がProject Eggの概要だ。
筆者はPC-98の割と末期に近いタイミングにパソコンライフを楽しんだ世代(1994以降)だ。そんな私が40代半ばであることを考えると、PC-8801や6001に親しんだ世代はもっと年上であることが予想される。
Windows95が出た時に小学校1年生だったくらいの年の子も、今アラサーくらいだと思う。
そうなるといよいよ、Windows95以前の(DOSとかの)時代のゲームに触れたことのある若者は居なくなってきてる。はずである。

ガラケーのゲームとパソコンのゲームは、プラットフォームの変化の波に飲まれて、作品のみならず当時の文化ごと、人々の記憶の狭間に埋もれ、消滅しようとしていると言っていいのではないだろうか?

あんなに最高に楽しかったのに。

昔のゲームのことを語るテレビ番組では、もうファミコンとスーファミとプレステのことしか語られなくなってしまうのではないか。

こんなに勿体ないことはない。
そんなことが起きては大いなる損失だといえる。

DOSがもはやメインのプラットフォームとして復活することはありえないと思うが、そこに存在した綺羅星のように輝いていた作品たちは、何とかして後世へ語り継いでいきたいものである。

[B] で ぬけます.