漢らしいだけじゃない。大人のカジュアルジャケット。

2024年8月15日 18:54

24SSよりお声がけして頂いてから既に行われた25SSと合わせて3シーズン全ての洋服を見てきて、私もようやく漠然としていた山内に対するイメージと言うか好きな所が分かってきた様に思います。
どうやら私は山内の漢らしい服が好きな様です。

先日インスタグラムに投稿したこちらの文が、店頭にて多くのお客様の同意を得られましてなんだか大変嬉しく感じております。
24AWで届いたアイテムも無意識ながらとても山内の“漢らしい服”を選んでおりました。
今回紹介するアイテムもそう。
山内のつくる漢らしいワークジャケットです。

山内 / ヘンプネル・ワークジャケット
color : black , tabacco
size : 3
material : hemp 100% COTTON 52% cupra 48%
price : 121,000(in tax)

まるでスエードのような見た目のこちらのジャケットですが、記載の通りヘンプ100%で出来たワークジャケットになります。
コーデュロイと同様、遠州産のファブリック。
日本で麻といえばリネン(亜麻),ラミー(苧麻),ヘンプ(大麻)
。
私自身あまりヘンプの洋服をこれまであまり着てはいませんが（comoliさんのヘンプダックのパンツ位かな？）、ここ一年でヘンプのイメージをガラリと変えるようなファブリックに出会っています。
一つは先シーズンにでたアケヨスのdressed hemp。
そして今季、入荷してきたこちらのヘンプネル。
夏に最適だけどシャリっとしたナチュラルな風合いという私のイメージを覆したフワフワでなんとも美しいアケヨスのdressed hemp。
こちらはblogで紹介する前に完売いただきました。
そして今回のヘンプネル。
勿論多孔性組織であるヘンプは冬に着れば空気を含み暖かいとは見てきたことはありますが、ほとんどのファブリックはナチュラル系のご婦人が好みそうな暖かみのある素材ばかり。
そんな中で見た機能的ながらなんとも漢らしい表情のこの素材。

ヘンプのもつ堅牢性を損ねない限界まで起毛させたというネル素材。
ヘンプは染色性も良く、こちらの生地もまず惹かれたのはその色味でした。
黒はしっかりと染まっているのが分かるなというような濃い黒でTABACCOはそう名付けられるのもわかるなんとも渋い色合い。
そして商品説明には、ヘンプ特有の光沢感も起毛によりツヤは消え、との記載がありますがそれでも滲み出てくるマットな光沢感。
起毛感と微光沢によりこのスエードのような表情になっています。
ヘンプは固いイメージがありますが、製品洗いもかけられ起毛に加えてより柔らかな肌触りに。
抗菌性や消臭性など機能面がピックアップされることの多い印象のヘンプですが、ここまで素晴らしい表情になるのかととても驚きました。
そしてこのアイテムの価値をより高めているのが山内の仕立ての良さでしょう。

程よく肉厚の生地で山内の丁寧な縫製がクッキリと出る仕立て映えの良い生地。
コーデュロイのシャツは縫製を表から見せない部分も多くありましたが、こちらは綺麗な運針がよく見える作りになっていますね。
ステッチもデザインの一つだということがよくわかります。
またこちらは総裏地の作りとなっています。
通りの良いコットン・キュプラ素材で脱ぎ着しやすいといったメリットも勿論ありますが、なんといっても見た目のカッチリ感が上がることが最大のメリットかと。
生地がかなり柔らかくなっておりますので一枚ですとどうしてもクタッとした表情となりますが、総裏地にすることで堅牢度が上がり、カジュアルすぎない見た目となっております。
その他衿の返しの綺麗さやシャツにも合う程よい長さの着丈・品のある比翼仕立てなど“カジュアルすぎない”という点は非常に大きなポイント。
泥臭く漢らしい洋服は数多あります。
漢らしさの中に大人が着るための品の良さがきちんと内在されているのが山内の洋服の良いところだと思います。