水野友洋
「木組み・土壁・石場建て」の小屋作り。 図面も添付しています。
日本の伝統的な家「石場建て」のお話です。
いよいよ最終日4日目です。 作業は、壁と屋根。 壁は、竹小舞を編んで、土を塗る。 屋根は、野地板を敷いて、波トタンを張る。 竹小舞早速、昨日割って長さをそろえた割竹を編んでいきます。 まずは、皆さんに助けて頂きながら(笑、私のレクチャーです。 年に3回は竹小舞を編んでいるのですが、1枚目を編むのは久しぶりで、少々戸惑いました・・・。 今回の紐は、藁縄です。 竹は現地調達ですが、藁縄は準備できず、今回は購入品です。 一坪の小屋を10人以上で編むと、大渋滞! 土を塗る
前回の続きワークショップ3日目は、いよいよメインの建前です。 引き続き、遠藤さんのレクチャーを聞きながら、進めます。 まず午前中は、前回の刻みの残り仕事と、垂木の加工をしました。 材料運搬一通り刻み忘れやミスがないかの確認をしたら、材料運搬です。 現場には、車では行けませんので、みんなで山の上まで手運びです! 建前の前に、まずは地面を傷めないように大量の落ち葉で養生します。 次に、安全祈願のお清めの儀式。四隅の礎石に、お酒とお塩。 建前建前開始です。 通りを確認して、番
墨付け2回目のWSは、墨付け・手刻みと、土練りです。 図面 こちらが図面です。 皆さんが参加できる仕事の内容・材料の都合・建物の規模用途・木組みを知って頂く事などを考えて、図面を描いてみました。 土台3本・梁桁4本・窓台2本・柱束8本、径17本。 とりあえず、一人一本墨付けをして、刻む事が目標です。 板図と間竿 まずは、遠藤さんが描いてきた板図を元に、流れを説明。 次は実際に、間竿を作りながら、板図と間竿の役割を説明。 出来るだけ単純な構造にしたものの、た
はじめに 岐阜県の美濃加茂市にて、小屋作りのワークショップをしました。 やまのはたへ さん主催で、山の片隅に一坪の小屋作り。 今回はトシ建築の遠藤さんと講師として参加。 大工工事は遠藤さん、私は設計と土木と左官です。 こんな、素敵な山の中です。 車が入れる道が無く、手入れされた里山は美しい。 テーマ 今回の小屋作りの目標は、こんな感じです。 1.DIY好きのお父さん・お母さんが、小屋が作れるようになる。 2.材料費は目標10万円/坪、軽トラで調達できる材料で作る。 3
はじめに 石場建ての家を建てられるようになり、やっと昔の人たちの背中が見えた気になっていた。 しかし、築100年を超える民家の前に立つと、同じ土俵に立っている気が全くしなかった。 何が足りないのか分からず、モヤモヤと過ごしていたら、その時は突然やってきた。 ある1冊の本が教えてくれた。 私に足りなかったのは、「建築の石場建て」ではなく「土木の石場建て」だった。 「土中環境」 何がきっかけで買ったか忘れましたが、読み始めて数分で「これだ!」と感じた事は覚えている。 髙田宏
はじめに 2016年、私の中で大きな出来事が2つあった。 1.熊本地震 2.気候風土適応住宅 この2つをきっかけに、私が建築の仕事を通して、社会や未来の為にできる事を考えた。 建築するという行為は自然を壊して行われる。環境保護の観点からは、マイナスでしかない。 建築士である私に出来る事は、如何にそのマイナスを小さくできるか。 その為に出来る事は、建築に関わる全てのエネルギーを減らし、建築のゴミを減らし、永く生き続ける民家を作り続ける事。 永く生き続ける民家は「真
はじめに 天然乾燥の木と、手刻みと、土壁の家作りをするようになって、竹小舞の美しい姿を眺めたり、土壁のしっとりとした空気感を感じるのが、仕事の楽しみの一つになった。 竹小舞や土壁のワークショップも出来るようになり、家作りの楽しさが広がった。 土壁の家作りを始めて、本当に良かったと満足なんですが、出来ればとことんこだわりたい。 2014年頃から、石場建ての家を目指す事になった。 理由は二つ。筋交いとアンカーボルトです。 現代工法と伝統工法の構造の違い 家を作る場合は建築
はじめに 本当の自然素材とは、木や土や草などのように、呼吸する素材。 偽物の自然素材とは、表面だけ自然の素材が樹脂で貼ってある、呼吸しない素材。 2013年頃、身の回りには、偽物の自然素材ばかりであることに気づいた。 本当の自然素材で家を作るには、下地まで自然素材である土壁が必要だと考えた。 1.呼吸する素材こそが自然素材 自然素材の家・無垢の木の家を設計を始めると、おかしいなと思う事が多々あった。 例えば、プラスターボード下地の左官(漆喰)仕上げです。 漆喰といえ
無垢の木で作る家とは、木組みの家。 木組みの家とは、天然乾燥材を手刻みで作る家の事です。 2012年頃、ある事がきっかけで木組みの家の存在を知った。 天然乾燥材と手刻みとは? 自然素材の家を設計していた時に、地元の大工さんが建てている家にお邪魔する機会がありました。お施主さんの裏山の木を伐採して、天然乾燥させた木を、手刻みで作る家でした。 現場では、大工さんがノミやカンナで、トントンカンカン仕事をしている。 今でも覚えていますが、家に入った時の木の香りが、衝撃的
最初は私の家作りの紹介ということで、私の家作りの変遷をお話していこうと思います。 7回シリーズの予定です、どうぞお付き合いお願いします! 設計を始めた2010年頃、私が最初に取り組んだ家作りは「自然素材の家」でした。 流行りの「自然素材の家」 当時の私の自然素材の家作りは、床は木のフローリング、壁はプラスターボードに漆喰、天井も板または漆喰。 目に見える部分に自然素材を使う、白い大壁の木の家でした。 一般的な家と比較すると予算が高くなってしまうので、クロスを併用
はじめまして、水野友洋(ミズノトモヒロ)と言います。 1979年岐阜県生まれ、自営業で設計事務所で営んでいます。 高校までは岐阜の田舎で暮らす。 「沈黙の春」に影響を受けて環境問題に興味を持ち、京都の大学に進学し化学の道に進む。 大学卒業後は、環境破壊と資本主義の仕組みに興味を持ち、金融機関に就職し東京で暮らす。 2010年30歳の時に、3歳の長女の保育園を探した結果、自然の近くで子育てをしようと思い、会社勤めを辞めて実家の岐阜に戻る。 住まいは、実家の岐阜県八百津町で、両