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地上絵

地を這う蛇の脱皮のようなものだ
内側から新しく生まれる
新生はいつでも内側から起こる
何度でも生まれ変わる
幾度も生まれ変わりつづけてきた
そのたびに我を忘れた

かつて生きた痕跡を見つける
見つければ己の抜け殻であると気づく
己が己でなくなって初めて気づくのだ
これらを見つけるための生まれ変わりか
地上に残されているのは痛みだ
痛まない傷跡というほうが正しいか

懐かしさはすべて天上にある
天へ捧げられたものは天のものだからだ
一方どこにも還れないままのものもある
それら降りつんだ無数の鱗を拾い集める
一つの人生を超えた地上絵を描くために
星座に列せられたアンタレスを見上げながら


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