水野咲耶

とある病院でメディカルイラストレーションを描いております。

水野咲耶

とある病院でメディカルイラストレーションを描いております。

最近の記事

お久しぶりね

お久しぶりね。 あなたに会うなんて。 あれから何年たったのかしら? うん、ざっと2年。 医学部に籍を置くドクターにとって、論文を書くこともまた大きな仕事です。 論文や学会発表を通じて業績を積み重ねていくことは、彼ら、彼女らのステータスのみならず、医学という大河の一滴として未来に貢献していくことに繋がります。 今回のイラストラフは、整形外科のクライアント様のご依頼で描いたもの。 なかなか苦戦されていたそうで、改めて上の図の左右を詰めて描き直して欲しい、というご注文でした。

    • うれしきこと

      うれしきこと―――なんだか枕草子のようですが、メディカルイラストレーターにとっての『うれしきこと』について、ひとつお話してみようと思います。 それは自分が関わった論文がアクセプト(受理)された、という知らせをもらうことです。 依頼時はイラスト制作に必要な情報しかもらわないことが多いので、ぶっちゃけ制作中も納品後も「自分は一体何を描いたんだ?」と首を傾げるのは日常茶飯事です。(理解できない場合も多々あるけど) 一般的に論文は、投稿されて直ぐにその媒体に反映はしません。 多く

      • 僕は君の乳腺を未だ見たことがない

        「水野さん、私も長くこの仕事をやっていますが、こんな乳腺は見たことがないです。」 え? この人は一体・・・ ナニヲイッテイルノダ? これは上記の言葉を聞いた瞬間の率直な疑問でした。 乳腺甲状腺外科のF先生は、長年お世話になっているクライアント様のお一人です。 メディカルイラストレーションに対してのご理解もあり、これまで多くご発注いただいている『お得意様』です。 裏返して言えば、求めていらっしゃるクオリティも高い、ということになります。 乳房再建術のラフスケッチが完

        • 色の意味

          メディカルイラストレーターの水野です。 今回は色の意味についてのお話を。 地味だけど、手術になくてはならないものの一つにテープがあります。 血管などの組織にかけて牽引することで術野を確保し、術者がより安全、的確に手術を進めるのに大変役立つものです。 テープは多くのメーカーから販売されていて、様々な色があるんです。 今回のラフスケッチは呼吸器外科のドクターからの発注で、「カラーイラストで。」というご指定でした。 しかし、資料としていただいた術中写真を見て頭を抱えることに。

          メディカルイラストレーションのタネ

          はじめまして。 とある病院でメディカルイラストレーションを描いております、水野咲耶と申します。 あまり一般には目にすることのない(たぶん)メディカルイラストレーションについて、ぽつぽつ書いていきたいと思います。 上記の画像は腸管内の血管がどんな風に走っているかという説明図・・・のラフスケッチです。 仕上がったイラストは納品してしまったのでお見せ出来ませんが、クライアント様の許可をいただいて掲載させていただきました。 赤字はクライアント様からの修正指示。 青字は画像の修正線で

          メディカルイラストレーションのタネ