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ゆっくりウサギや蛙を鑑賞…中之島香雪美術館で鳥獣戯画
鳥獣戯画、知ってますか。日本最古の「漫画」ともいわれています。
わたしこの鳥獣戯画に出てくる動物たちが大好きで。
めっちゃ表情豊かなんですよね。ウサギは蛙と相撲とって耳に嚙み付かれてたり、サルを追っかけてたり。口をパカッと開いてなんか蒸気?出してる蛙も、リアルなカエルの特徴とらえていてほんとかわいい。
5年前、修理後に初公開されたとき(@京都国立博物館)は、2時間並んで見たんです。その間にヘトヘトになっちゃって…。
入ってからもすし詰め状態。じっくり見たいけど止まっちゃいけないルールで(そりゃ待ってるひともいるわけだしね)、全然「鑑賞した」感じがしなかったんだよね…。一緒に行った友達は不機嫌になっちゃうし(じゃあ一人で行ったのにーって感じなんだけど。だから美術館は一人で行きたい…自分の好きなタイミングで観られるから)
さて、その鳥獣戯画が、ひっそり(とわたしは感じた)、中之島香雪美術館(弊社大阪本社の目の前のビル!大阪の中心地!)で観られるそうじゃないですかー!!
「明恵の夢と高山寺」展。メインは高山寺の僧・明恵さんの展示でした。
「明恵の夢と高山寺」展は、当館にとって初の特別展になります。明恵上人(みょうえしょうにん、1173~1232)は京都・栂尾の高山寺を築いた鎌倉時代の高僧です。自分の見た夢を長年にわたって記したことでも知られます。村山龍平(1850~1933)もその膨大な「夢記」の一部を収集しており、この「夢記」を手がかりに、明恵の人物像に焦点をあてる展覧会を企画いたしました。合わせて、高山寺が所蔵する国宝「鳥獣戯画」(全4巻)を公開します。同作品は朝日新聞文化財団の助成で大がかりな修理をした経緯があり、本展も朝日新聞創刊140周年記念の事業となります。
鳥獣人物戯画は、前期(4月14日まで)で甲巻の後半部分・乙巻、後期(14日~5月6日)で丁巻・丙巻が展示されるそうですよ。後期のものは「人物戯画」になるので、動物たちに会いたかったら前期をぜひ!
さぞ大混雑だろうな…とドキドキしながらTwitter検索したところ、「あれ…そんなに混んでなさそうだぞ…?」と分かる。
特別展「明恵の夢と高山寺」さきほど開館いたしました。
— 中之島香雪美術館 (@kosetsu_museum) April 4, 2019
国宝「鳥獣戯画」甲巻、乙巻の後半部分も動物たちの楽しい場面がいっぱいです!
甲巻、乙巻は4月14日までの展示です。4月16日からは丙巻、丁巻を展示します。 ご来館お待ちしております!#明恵 #中之島香雪美術館 #鳥獣戯画
そこで、用事の前に超早めに大阪に着いて、のぞいてみたのでした!
結論。めっちゃ空いてて最高。
いや、がらがらってわけじゃないし、ビルの1フロアの小さな美術館なので、それなりに人が入ると並びますが、5分待っていればじーーーっくり最前列で鳥獣戯画とご対面できちゃいます。最高。至福。
前回よく見えなかったサルを追い回してるところ、そのあと笠をかぶった狐がほほえんでるところ、後ろに立つ烏帽子をかぶった猫がニコニコしてるところ……。あぁ、登場人物(動物)みんないとおしい…。
結局3回も4回もレーンに並び直し、30分ぐらいかけて堪能したのでした。
甲巻は「前半・後半で描いた人が違うのでは?」説が今は濃厚になってて、今回鑑賞できたのは甲巻の後半部分。
でもみんなが「鳥獣戯画といえば」で思い出すシーンは詰まってるのでじゅぶん大満足です。
しかしあんなに前の作品がこんな形で残ってるなんて…やっぱり後世に残すものとして「紙に記す」って最強なのかなぁ。
しかし特設ショップで衝撃を受けたんだけど、あの蛙がひっくり返ってるシーンって「蛙殺人事件」っていうの?(写真の右側、⑤の絵ハガキにタイトルが…)
調べてみたら下記のような解説があった……!サ、サルめ…
動物たちの意味するものを、人間社会の実体的な諷刺や寓意、見立てに安直に還元せずにどうとらえるか、その関係性が問われる。たとえば、兎や蛙は相撲や賭弓(※のりゆみ、年中行事のひとつで正月に天皇が弓の勝者に賭物を与えた。)、田楽などの演技者、芸能者として多く登場するのに対して、猿は印地打ち(※いんじうち、正月や端午の日に川原で行われた年中行事の石投げ合戦)で蛙を殺害して逃亡したり、法会で僧として読経したり、競馬で兎の耳をつかんで妨害し逆に落馬したり、何かの事件を引き起こす攪乱者(トリックスター)として描かれる場合が多い(立教大学図書館のサイトより)
知らなかったな~
相撲のあとでひっくり返ってる蛙に「かえるくーん だいじょうぶー??」ってウサギたちが聞いてるほのぼのシーンだと思ってたよ…笑
明恵上人のことは詳しく知らなかったけど、自分の夢日記(夢記・ゆめのき)をつけていたという面白い僧だった。
仏に近づきたいと右耳を切り落とすとかゴッホっぽいし…。夢にお釈迦さまが出てきて、それを水墨のイラストで残している夢記もあった。
あと!「これなんかの資料集で観たことあるーーー!」っていう子犬の木像がありましたよ!
写真を探したけどGoogleArtsでも出てこない…この↓画像の右上のワンコね。(GoogleArtsって日本の文化財まだまだ弱いのかしら…橋本関雪さんはけっこう出てきたのに、鳥獣戯画でさえ出てこないんだよね)
この子犬、展示の仕方がステキで、最後の展示スペースに入ろうとすると、子犬とかちっと目が合うんです!
ぜひ観てほしい~。四方をぐるぐる回ったりかがんだりしてまじまじと鑑賞しちゃいました。かわいい。おすすめ。
明恵上人は犬が好きで、お寺でも飼っていたんだって。なんかペットはお寺とかだと不浄のイメージがあったので、意外。
そんなわけで子犬に会いに行くだけでも価値あり!な展覧会でした。