女のひと大好き!が伝わってくるクリムト 額縁好きにもたまらん
めちゃくちゃ楽しみにしていたクリムト展。実はGW中に行ったので今更ながら振り返りを……
いやぁ本当に豪華だった。クリムトの描く女性の官能的な表情、ほれぼれしちゃう。
ポスターにもなっている<ユディトⅠ>は想像以上によかった~。
これまで写真とかでは上半身部分しか見たことがなくて、ホロフェルネスの首があんなにリアルに描かれているのは知らなかった…
わたしが美術館に行く理由のひとつに「絵の額縁が見たい」があるんだけど、(その絵がどんな風に愛されているのか・大事にされているのかとか伝わってくる気がするから)、ユディトⅠは額もクリムトがデザインしたそう。
クリムトの「黄金様式」の時代の代表作の一つ。油彩画に初めて本物の金箔を用いた作品とされ、額縁はクリムト自身のデザインによる。
旧約聖書外典の「ユディト記」によれば、美しい未亡人ユディトは、祖国を救うために敵将ホロフェルネスの首を切り落とした。この主題は、どんな困難にも屈せぬ女性の強さを誇示するものとして絵画や彫刻に取り上げられてきた。一方で、女性がもたらす危険な誘惑に対する警告として解釈される場合もある。恍惚とした表情を浮かべ、裸身をさらすユディトは、匂いたつような官能性をまとい、抗しがたい魅力を放つ女性として表現されている。
「分離派」となって自分の芸術を追い求めたクリムト。それを表している絵が<ヌーダ・ヴェリタス>。
上の方にシラーの詩が刻み込まれているんだけど、絵を何かで削って書いてるのかなぁ?これもまじまじと見入ってしまった。
日本の影響も受けたそう。初期の作品「17歳のエミーリエ・フレーゲの肖像」(1981)には、額縁に草花が描かれてるんだけど、それが日本画ぽくてすてきだった。
エミーリエは、クリムトの弟・エルンストの結婚相手の姉にあたる人物。クリムトにとって、彼女は精神的パートナーとして最も重要な女性であった。本作は、クリムトの日本美術からの影響を示す最初期の作品。画家自らがデザインを手がけた額縁には、桜の花の枝やさまざまな草花が描かれている(下記記事より)
エメラルドグリーンやピンクなど目に鮮やかな色が使われた「オイゲニア・プリマフェージの肖像」(1913~1914年)にも、日本のモチーフが。
1909年になると、クリムトは金・銀・プラチナを使うのをやめて、カラフルで力強い色彩で描くようになる。色彩の組み合わせは、東アジアの美術品から取り入れたものだと考えられる。同じような色彩が、日本・中国・韓国の陶磁器や七宝にも見られる。(中略)自身の作品をコスモポリタン社会に対する貢献であると捉えていた。グローバル化がはじまる時代にあって、芸術こそが民族の文化交流の最良の手段だと考えていたのだ。(上記記事より)
「芸術こそが文化交流の最良の手段だ」って考え方、いいなぁ。今も心にグッとくるな~
クリムト展のオーディオガイドをしている稲垣吾郎が、インタビューでクリムトの描く女性を「隙がある」といってすごい納得してしまった。
僕が画家だったら、クリムトと同じように女性を描いたかもしれないと思いました。前を見据える女性よりも、「ヘレーネ・クリムトの肖像」のような横顔や、ふとした隙が感じられるような女性を描きたい
自画像を描くぐらいなら女性を描く、それぐらい女性が好きだったクリムト。めちゃくちゃ伝わってくる展示でした笑。
あとオットー・フリードリヒの「エルザ・ガラフレ」の女性、ずっと互いを見つめ合ってしまった。クリムトの絵よりも長い時間見てたかも笑
ポストカードも買って帰ってきちゃった。ワンコもかわいい
現在は愛知・豊田市美術館で開催中。あいちトリエンナーレを見にいったけど、美術館自体もステキなので足を伸ばしてほしいな~