詩『esperance.』
裸の幹が緑の葉を獲り戻し
目の前の空を確かに覆っていく
高く登った太陽が東の窓から入り込み
この世のすべてを優しく照らしていく
私たちが思う以上に世界は 命の鼓動に包まれている
何かが何かを支え合って この大地に立っている
朝の通り雨で出来た小さな水たまり
夕方にはもっと小さくなっていた
いくつもの夜を越えて巡っていく
水は魂の体現者かもしれない
悲しみと喜びが幾度も繰り返し
人は歳を積み重ねていく
老いたくないとは思っているが
無駄な足掻きだともわかってる
過行く季節