みずのさんのノオト:ハンディファンを求めて

夏休み、朝の涼しいうちに宿題を
そんな時代は遠い昔となり、ここ最近は、朝起きたら真夏、酷暑という状態だ。
いや、下手をしたら熱くて寝られず目を覚ました、という人もあろう。
これが異常気象なのか変動の誤差なのかは分からないが、暑いのは確かだろう。
そんな中で市民権を得たのがハンディファン。
すでにある程度充電済みで売られているので、箱から出して、そのまま使っている人すら見かけることもある。

実際に何種類持っているが、実際に使える場面、使えない場面がある。
まず、外での使用。
実際のところ、完全に無風であれば影響はないのだが、現実的に、熱風であれ微風であれ、風が吹いている。
そうなると、小さなファンが起こす風量で太刀打ちできるはずもなく、たいていは負ける。
この風、歩行中に受ける風にすら負けるので、外で使うのは、場面を選ぶということは間違いなかろう。
逆を言えば、無風の室内で使うと効果的だ。
室内のエアコンの風を受けて集められるので、余計に涼しく感じる。

一方で、衣類と衣類、衣類と肌の間に滞留している空気を循環させる使い方は、思った以上の涼しく感じるので、空調服を使う人が増えているのも納得出来る。
空気のない水中や宇宙で、人類は潜水服や宇宙服を身に纏って活動するわけだが、もはや、炎天下での作業は、空気で膨れた空調服なしには活動できなくなっているようだ。

さて、そうなると興味が出てくるのが冷却素子が付いたタイプのハンディファンだ。
ペルチェと言われるアレで、CPUクーラーだったり、小型の冷蔵庫だったりと、使われる場面は増えている。
電気を通せば冷える。
魔法でもない限り、そんな都合の良い仕組みはない。
錬金術であっても等価交換が必須となることを思えば、一方が冷えれば、一方で熱を発生する熱交換の仕組みであることを知るべきだろう。

ということで、現物を見ている(買っちった)
ファンの全面、この目立つ金属部分が『冷たくなる』一方で、その背面は『熱くなる』のだ。
だが、この製品の場合、ファンを保護する格子がアルミ製になっており、そこで放熱が出来るようになっている。

放射状のアルミ放熱板

つまり、金属板全面を冷やしつつ、アルミ製の放熱板を通して、ファンが冷やしている、という構図となるが、さすがによく冷えるので、水滴すら付いている。
そして、この状態でも、アルミ部分など熱くなっていないので、放熱はあまり気にしなくても良いのだろう。
ちなみに、冷却のみONにすることは出来ず、必ずファンがONになっている必要がある。
つまり、放熱処理は必須なのだ。

実際に、これを外で使ってみる。
風量は、外の風に完敗するが、この冷たい部分を肌に当てると気持ちがいい。
冷たい缶飲料の缶を、そのまま肌に当てることをイメージすれば、その快適さが分かると思うが、その缶飲料はぬるくなることもないのだ。
室内では冷たすぎて、むしろ肌に当てたくないと思うレベルに冷えるので、実用的には申し分ないと言い切れる。

ただ、注意点がある。
それなりに電力が必要なので、普通のハンディファンよりバッテリー容量が大きいものが多く、有り体に言って重い。
加えて、アルミ放熱板があるため、さらに重くなる。
装置としては軽い方だが、元が軽いものなので、これらの重量増分は、誤差として容認できるものではない。
個人的な感想としては、体感的な重さが倍とは言わないが、5割くらい増えた気分だ。

また、この装置、Amazonなどの通販サイトで見ると、聞いたことのないメーカー、ぶっちゃけ中華品しか見当たらない。
今さら、中国製品を否定することはナンセンスだが、彼らの模倣品製造については、少し知っておいた方が良いだろう。
基本的に、どこかの製造会社が作った安価な製品を買い付けて、自社製品として売るのは、まぁ、それなりに理解できるだろう。
一方で、何らかの人気商品を見かけて、それを適当に模倣し、それっぽい製品を作る方法もある。
似てるけど、何か微妙に違う、というパターンは、たいてい、こちらで、この手の製品を購入する場合、特に注意すべきは後者のパターンとなる。
リチウムイオンバッテリーは、思った以上に危険な装置なので、安全装置がかなり厳密に付いている。
しかし、外見だけをパクったような模倣品が、どこまで、そこに配慮して作っているか疑わしい。
アニメ作品のフィギュアであれば、造形が全然違う、という程度で済むが、リチウムイオンバッテリーの場合、発火、爆発の危険性があるのが怖い。
どう選ぼうとも、聞いたことのないメーカーから選ばざるを得ないが、多少割高であっても、せめて、日本の名のある代理店が扱っているところを選ぶのが良いだろう。
頸動脈など、太い血管が通っている場所に冷却部分を当てて使うと効果的だが、数千円をケチることで、そういう場所で爆発するリスクを抱えるのがお嫌でなければ、まぁ、そういうことである。

やっぱり冷たい、良く冷える


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