「ご注文はうさぎですか?」最新話の感想まとめ(まんがタイムきららMAX2025年02月号)
「すべてが、かわいい」のキャッチコピーでおなじみの、「ご注文はうさぎですか?」。本記事は、ごちうさ最新話の感想をまとめていきます。
内容の都合上、本誌のネタバレを含む文章となっています。未読の方は、あらかじめ本編に目を通してから読んでください。リアルタイムで成長していくココアたちの物語を、一緒に追いかけましょう!
まんがタイムきららMAX最新号の購読は、こちら↓
【MAX表紙】
早いもので今年もクリスマスシーズンがやってきました。今年はごちうさが一年を通して盛り上がっていたせいか、例年以上に月日の経過を早く感じます。今年最後のMAX表紙を飾るのは、チマメ隊!もっこもこのマフラーを巻いて雪遊びをする三人がめちゃくちゃかわいいです…!
楽しそうな様子がこちらまで伝わってくるイラストですよね。特にメグちゃんの表情はもうお手本みたいな笑顔じゃないですか。ココアさんモチーフの雪だるまが思った以上にうまく作れて喜んでいるのでしょうか。
マイペースに肉まんを頬張るマヤちゃんの柔らかそうなほっぺ。チノちゃんの少し驚いた表情。全てがかわいさに満ちていて、まさに「これぞごちうさ!」って感じの一枚です。
ある意味では原点回帰のイラストかもしれませんね。奇をてらわずに、かわいさだけをストレートに描いている点は初期のごちうさに通ずるものがあります。
なんだか久しぶりに懐かしい気持ちになれたのもあって、大変楽しめました。でもマヤちゃんは素足で外に出てて、寒くないのかな…?それは気になります。ちなみにシルクハットを飾る赤い花はポインセチアだそう。TLに調べている人がいて、なるほど、と思いました。クリスマスといえば、ポインセチアですからね。
【扉絵】
初見の時点でいくつか気になるポイントはあったのですが、一番目についたのはやはり銀河鉄道です。前回の流れから考えて、今月号はサキさんとおじいちゃんが天国に帰っていくのを見送るお話なのかな、と考えたりしていました。予想は確かに当たっていたのですが、本編を読んでから改めて戻ってくると、今回の扉絵は実に示唆的です。ココアとティッピーが主役なのも、本編を踏まえれば納得ですね。
パステルカラーの青い翼に思わず見入ってしまいます。絵の具みたいな色調が、デジタルにはない独特の柔らかさを醸し出しているの好き。今にして思えば翼の絵は、「ココアとチノが神沙邸のバルコニーで一緒に見上げた夜空」だったんですね。チノが一連の不思議体験を「絶対に忘れません」と言ったとき、ココアはチノの言葉に笑顔で賛同していました。
ふたりで一緒に「忘れない」と誓った日の夜空。翼が未来に向かって羽ばたくためのものだとするならば、ココアは大人になってもずっと、今日の夜空を忘れずにいる気がします。パステルカラーの思い出とともに未来へ進むための翼。そうは受け取れないでしょうか。もちろん、幸せの青い鳥をイメージした翼でもあると思います。
ココアの仮装が群青色の翼をもった天使である事も踏まえた、素晴らしい表現でした。ちなみにティッピーがおじいちゃん憑依状態に戻っていますね。このティッピーにココアが意味ありげに頬ずりをしているのも、思えば伏線だったのかもしれません。
【ストーリー】
白いお化けの正体はてっきりフユだと思っていたら、まさかのミスリードで驚きました。ミスリードの可能性を指摘している人はTLにいたので、そういう事もあるかなと思いつつ頭の片隅に置いてはいましたが…。確率としては限りなくゼロに近いと思っていました。びっくりです。まさか本当にお化けの正体が違う人だとは。そうなるとフユは一体今までどうしていたのか?が気になりますが、本人いわく、「神沙邸で迷子になっていた」との事。過去のドッペル発言といい不良回のはっちゃけ具合といい、Koi先生、フユさんに妙な役回りをさせるの癖になってません…?
それはそうと、白いお化けの正体は「彼女」だったんですね。ココアを優しく抱き締めたのは今の彼女ができる精一杯の愛情表現だったのかな、と思ったり。彼女は決してココアたちの事が嫌いってわけじゃなくて、ただ不器用で人とうまく関われないだけなんですよね。だから急にココアがいなくなってしまえば心配にもなるし、逆に無事が分かれば「よかった」と安心してくれる。においでお化けの正体がココアにちゃんと伝わるのも情緒的でした。ごちうさは人間関係の隔たりをストレートに描く作品ですが、その隔たりにある背景要因は人によってさまざまです。物理的、精神的、あるいは死別など。時空の壁によって隔絶されたのはリプラビ回のココアとチノでした。この隔たりをつなぐ「架け橋」としての匂いを丁寧に描いてくれるごちうさが筆者は個人的にめちゃくちゃ好きです。
さて、前置きが長くなりましたが、今回のごちうさは物語上、非常に重要な転換点を迎えました。具体的には、ココアがとうとうティッピーの真実に気付きました。
正確には、ココアは以前からティッピーの真実に気付いていたっぽいです。今までは確証がありませんでしたが、今回はチノとの会話からそれが事実としてはっきり描かれました。一体いつから気付いていたんだろう…?12巻最終話「Daydream café」は、ティッピーの真実にココアがたどり着くための大きなヒントでした。ひょっとするとその時点でもう真実には気付いていたけれど、言い出す機会がなかったから今まで言わずにいたのかもしれません。来月以降のごちうさはこの前提を踏まえて読む必要がありそうです。
もしかするとココアは、もう全ての謎に答えを導き出しているのかもしれませんね。変な声を出す、ティッピーの謎。幼い頃に迷子の自分を助けてくれたお姉さんの正体。もしそうだとしたら、花火大会の日にチノが泣いていた理由もまた、今のココアなら察していそうです。あの日のココアは、チノの肩に触れられなかったんですよね。
大切な妹が泣いているのに、自分はその理由が分からない。ココアにとって、それがどれだけ悲しい現実だったのかは想像に難くないです。「死者は皆が心の中で思い出してくれたらいつでも会いに来れる」。あの日のチノにかけるべき言葉を、ココアはずっと探し続けていたのかもしれません。笑顔のココアは、昔のチノに語りかけているようにも見えます。
こう書くとしんみりした話のようですけど、基本的には神沙邸主催のハロウィンパーティーを皆がわいわい楽しむお話でした。懐かしいネタのオマージュもあり、読者としても読んでて面白かったです。あのビュッフェを用意するためにナツメが一体どれほど犠牲になったかと思うと、違う意味で泣けますね。