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ごちうさから教わる「やさしさ」。誰かを一人にしない強さのお話

■ごちうさには「やさしさ」がある

毎週土曜夜10時。この時間、いつも楽しみにしているものがあります。TVアニメ「ご注文はうさぎですか?BLOOM」。通称「ごちうさ」で知られるアニメの3期シリーズです。

その日、僕はいつものようにスマホでAbemaTVを起動しました。昔と違って、今はたくさんの動画配信サービスが普及してきましたね。ネットフリックスやFOD、通販大手のAmazonなんかもprimeビデオと銘打って参入してきています。ごちうさも、AbemaTVなら放送後一週間は無料で視聴できます。見逃しても後から無料で観られるというのはありがたいです。

さて、ごちうさといえば、「すべてが、かわいい」のキャッチコピーで知られる作品です。

キャラクターの表情や仕草が可愛いのはもちろん、ストーリーも、それはそれは可愛いものに仕上がっています。この日のごちうさも、溢れんばかりの可愛さに満ちており、僕はほっこりした気持ちで観終わった後に就寝するのだとこの時は思っていました。

ところが何故だか涙が止まらない。いや、理由は分かっています。今日の内容が、涙なしには語れないほど素晴らしいものだからでした。

ごちうさは、可愛いだけの作品ではありません。その奥にある温かい何かこそ、僕はごちうさの本質なのではないかと思うのです。たとえばそれは、「やさしさ」という風に名前をつけることができるのかもしれません。

奇しくもnoteの募集欄で、Panasonic様主催の #やさしさにふれて という投稿コンテストを見かけました。「やさしさ」というテーマが共通してるので、ひょっとしたらごちうさについて本ハッシュタグで語るのもアリかな?と思い、今回の記事作成に至った次第です。

アニメから学べるやさしさがある。ごちうさには、やさしさがある。今回は、そんなテーマで語っていきたいと思います。

■ごちうさってどんな作品?

Koi先生原作の四コマ漫画「ご注文はうさぎですか?」のTVアニメシリーズ第3期が放送中です。毎週土曜、有料のAT-Xでは21:30から、TokyoMXやAbemaTVでは22:00から観ることができます。

見どころとしては、まず可愛らしい街の風景描写ですね。これは、実在するヨーロッパの街・コルマールがモデルとなっております。石造りの街やルネサンス全盛期の木組みの家々、河川の様子などは「小さなヴェネツィア」とも称され、観光地としても人気が高いです。

舞台の時点ですでに魅力的なのに、ここに暮らす女の子たちのほんわかした日常の一つ一つがもうたまらなく可愛いんです!

可愛くないですか?可愛いですよね!

3期放送記念ということで、今はイベントも盛り上がってきてますから、気になったらぜひ観てみて下さい!

■ごちうさから教わる「やさしさ」。誰かを一人にしない強さのお話。

僕が感動して泣いたのは、7羽でした。実は他にも泣けるエピソードが今期のごちうさにはあったりするんですが、「やさしさ」というテーマからは若干逸れてしまうので、ここでは割愛します。

ごちうさは可愛さを売りにした作品ですが、この7羽だけは別のテーマもあるように感じたんですよね。

・ごちうさは悲しさや辛さも描かれている

7羽は、ハロウィンのお話です。亡くなった人の霊が現れる日。チノちゃん(青い髪の女の子)のお母さんも、仮面舞踏会のマスクをつけて木組みの街に現れます。そして、ココアちゃん(ピンクの髪飾りの女の子)に、手品を伝授して消える、というあらすじ。

チノちゃんのお母さんは、直接お母さんだと分かる描写は出てきません。ただ、チノちゃんを遠くから優しく見守るシーンがあることと、彼女の得意とする手品がココアちゃんが受け継いだ手品と同じという話から、霊はチノちゃんのお母さんだったのだろうと仄めかされます。

チノちゃんはお母さんを早くに亡くしており、幼い頃によく懐いていた祖父にも先立たれてるんです。

よく考えるまでもなく、悲しくないはずがないんですよね。辛くないわけがない。まだ十代半ばの女の子が、大好きなお母さんも祖父も亡くして、そうそう簡単に立ち直れるとは思えません。

ごちうさにはあまり重い話は出てきませんし、チノちゃん自身も中学校で良い友達に恵まれて、立ち直ったかのように表面上は見えるんですが、全然そんなことはなかったんですよね。

祭の終わり。目をきつく閉じて震えるチノちゃんを目の当たりにして、そんな当たり前のことに、僕は今さらながらに気付きました。

ああ、チノちゃんは悲しいんだ、辛いんだ、と。

・ごちうさは「誰かを一人にしない」物語

それでも、この7羽で描かれなかったテーマがあります。それは孤独です。

目を閉じて震えるチノちゃんの元にも、ちゃんとココアちゃんがやってきます。そして披露されるのは、記憶の中に眠る手品。チノちゃんのお母さんがココアちゃんに託した手品によって、チノちゃんの中の懐かしい記憶が呼び起こされます。

記憶の中のお母さんは、まるで大丈夫と元気づけるように、チノちゃんの目の前で優しく微笑んでいました。

一時的に悲しさや辛さを感じることはあったとしても、チノちゃんは決して一人ではなかったのです。

思い返せば、作品を通してごちうさにはこういうシーンが多い気がします。アニメ2期では、行き違いによりココアちゃんだけキャンプのお誘いが伝わってなくて、すねた彼女の部屋に皆が訪れるシーンがありました。

エピソードという形にはなってなくとも、ごちうさは「声をかける」ことから始まる話が多い気がします。誰かが落ち込んでいたら、声をかける。一人きりには、絶対にしない。たとえ解決にならなくとも、力になることができなかったとしても、それでも困ってる誰かを決して一人にはしないんだっていう意思のようなものを感じます。

ごちうさは、「誰かを一人にしない物語」です。

・今できる「やさしさ」を始めよう

でも、誰かを一人にしないのって、現実では厳しいです。例えばですけど、道端で泣いている子供を見かけたとして、あなたは声をかけることはできますか?

僕は正直、警察に通報して終わりだと思います。場合によっては、警察に通報することすらせず、素通りするかもしれません。なぜかって、今は子供に接しただけで犯罪者扱いされかねないから。

嫌な世の中になったものです。けど、現実だから仕方ない。誘拐犯の濡れ衣を着せられてしまったら会社もクビになるでしょうし、家族にだって迷惑がかかるでしょう。

子供の例は極端だとしても、誰かを一人にしないというのは、実際かなりのリスクを伴います。歩道橋を渡れなくて困っている年配の方に手を貸して会社に遅刻したとしても、会社は遅刻控除を免除してはくれないですよね。

世知辛い世の中で「誰かを一人にしない」を実践しようと思ったら、結構それなりに強いメンタルが必要です。

だから、現代社会で誰かを一人にしないというのは、実際のところ無理なのかもしれない。それでも、たとえ少しであったとしても、出来ることはゼロではないと思うんです。

例えば最近、外国人の方に道を訊かれる機会が増えました。日本は今、外国人労働者を積極的に受け入れていますし、世界的にグローバル化の流れもあります。外国人と接する機会は、これからもっと増えてくると思います。

外国人というと、苦手意識のある方は多いでしょう。けど今は、スマホ一つあれば何だって出来る時代です。アニメを観ることだって出来ますし、簡単な英語をGoogle翻訳で調べる事だって可能です。

忙しいフリして、その場を去るのではなく、ちょっと立ち止まって、Googleを起動して、道を調べてあげてはいかがでしょう?

一人ひとりの親切は微々たるものであったとしても、それがたくさん集まったら、世の中は今よりもっと良くなると思うのです。

誰かを一人にしないこと。

そんなごちうさの「やさしさ」を、無理のない範囲で少しずつ、実践していければいいと思います。

■まとめ

いかがでしたか?

最後にもう一度宣伝になりますが、TVアニメ「ご注文はうさぎですか?BLOOM」放送中です!ぜひ観てみて下さいね!

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

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