ありがとう、マスター。まんがタイムきららMAX2023年1月号「ご注文はうさぎですか?」に寄せて
きららMAXを購読してる方はすでにご存知かと思いますが、今月のお話をもって、マスターの魂が天国に旅立ちました。
はっきりした描写はないものの、心残りがなさそうなマスターの台詞や、チノママの登場、目覚めたティッピーがうら若き乙女の瞳をしていたことなどから、マスターが天国に旅立ったのは確定とみて良さそうです。
今月のごちうさはいつもの見どころ記事にするべきか悩みましたが、悩んだ結果、取り急ぎマスターとティッピーへの感謝の気持ちを綴りたいと思い、今こうして筆を取っています。
僕自身、まだまだ突然の別れを受け入れることができていません。マスターの魂がティッピーの身体を借りていると知った時から、この別れはいつか来ると分かっていたのでは?と思う一方で、胸にぽっかりと穴が空いたような寂しさを感じているのも事実です。
納得している自分もいればそうでない自分もいて、この気持ちを整理するのは長い時間がかかると思います。
ただ、ぐちゃちゃな心の中で一つ確かに思うのは、マスターがいてくれたから今のごちうさがあるんだ、ということ。
ココアちゃんが街に来てから、チノちゃんは笑顔が増えました。初めて笑顔を見せてくれた写真立ての話(2巻1話)を皮切りに、今では笑わない日の方がむしろ珍しいくらいです。自らの世界をどんどん広げていくチノちゃんに呼応するように、ラビットハウスも静かな場所から、明るく楽しい賑やかなお店へ。
でも、ココアちゃんがラビットハウスに足を踏み入れるその瞬間まで、チノちゃんの話し相手になってくれていたのは誰だったか。
チノちゃんがお母さんを亡くしたとき、側にいたのはきっとタカヒロさん一人ではないです。僕たちが見ているチノちゃんの日常は彼女の人生のほんの一部で、その裏には作中ではいまだ語られていない多くの物語があります。それらをずっと、見守ってきたのは?家でも温泉プールでもチノちゃんのチェスの相手をしていたのは?
マスターが、チノちゃんを側でずっと支えてくれたから。
そしてティッピーが、マスターに自らの身体を貸し続けてくれたからこそ、今のチノちゃん、ひいてはごちうさの物語そのものが、あるのだと思います。
だから、ありがとう。一人のファンとして、そして一人の人間として、この一言に、ありったけの感謝を込めます。
マスターがチノのおじいちゃんで、本当に良かった。
ありがとう。