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趣味を持てない人のために②

↑朝、夜明けにこれに起こされる。


たとえば趣味は野鳥です、という言い方はヘンだね。
それを鉄砲で撃って煮て焼いて食うのか、飼うのか、闇取引するのか、単に眺めて写真動画撮ってうれしいのか。


私はただ、見て聞く。カラスの鳴き声も面白く、この辺のリーダーももう分かる。全部意味がある。イソヒヨドリはご拝聴の通り麗しく複雑なおしゃべりだ。



それを「人と分かち合う」?
鳥の心をわかりたい、と思って聞いてたら、イソヒヨドリなんかがうちの前に毎朝来るようになっただけだ。新聞配達かお前は。


猫は可愛い。が、奴らには奴らの哲学と流儀と愛がある。
ボロボロだった親友野良猫ルーナはいまやみんなに可愛がられツヤツヤの野良美人。でも、会いに行くには線路を越えねばならない。線路の向こう側の野良猫たちは渡っては来ない。渡るのは命知らずの飼い猫くらいだ。人に深く関わると命知らずになっていけない。



会いたかった。寂しかった。心配だった。
嵐のあと、そう思って会いに行って黙ってしゃがんでしまった。ルーナは音もなく現れそばに来て、いつまでもすり寄って喉を鳴らした。彼女の方に慰められた。死線を生きてるのはいつもあっちなのに。私は話しかけない。黙って泣いている。ルーナはただただ、鳴きながらスリスリごろごろ。いつまでも私たちはそこにいる。
エサはあげないよ。人間の作るエサなんかまずいだろ。ちゃんと生きてちゃんと死ぬんだぞ?あたしもそうするから。だいすきだよ。


こうなると趣味ではないなあ。



好きな映画。本。何故か?
そのストーリーの中のあるシーンや、流れ。デジャビュや未知の感覚を味わう。
「現代社会への◯◯」とか、もう聞きたくもない。


人間商売さらりとやめて。


蟻がいる。クロヤマアリとアミメアリ。そろそろ巣ごもりだね、蟻様たち。
小さな蜘蛛たち。レティシアって呼ぶ。
小さなハエ。ベイビーって呼ぶ。
出ないけど、ゴキブリも好き。前薔薇をもらった話、怪談に書いたよね。


草木。おしゃべりすぎてどれも愛さずにいられない。すべて美しいと思う。
花に攻撃を受けて病気になる?(花粉症)
お前ら、なかなかいいリベンジしてるぞ。もとはあたしらのせいだもんな。
誰々のせい何々のせいとすぐなすりつけるものには盛大にお仕置き。で、病院にも花粉症の人いたけど、「◯◯のせい」人は永遠に治らなかった。治る人はポコンと治るものだろう。
草木の気持ちが分かるか、己が順応するか。向こうにとっても生き残りをかけた戦。巻き込まれる人が可哀想。「人」だけは。


草むらの中に入って歌う。心が躍る。
鳥、虫、猫たちがやってきて、パーティだ。時々、子どもに還れた老いた人びとも。


星が、月が輝く。
やがて夜明けが。
またあの鳥が。
そしてトンビ。
そして白鷺が。
一人眺めていただけで、いつしか私の心身は癒えた。



道具たちにも全部名前がある。かつての職場では百に近い道具すべての名が私の中ではあり、それぞれに対して作法も心得も違った。
みんな大好きだ。男の子も女の子もおっさんも赤ちゃんもいて、沢山教えてきてくれた。
それいちいち書いたら引くだろうから言わないけどね。
ただ、彼らは日増しに美しく強くなっていく。なぜ?分かる人には分かるだろう。ヴィンテージを捨てるなんてとんでもない。


蝶々が多く飛ぶ。
いつか書いた、蝶々に愛されちゃうおじいさん。
蝶道を彼は受け入れてあげただけだ。


趣味?
どんぐりを見る。
しゃがんで。
ぴかぴかして、形が面白くて、どうして落ちてる。どこから来る。
誰が食べる。いつかどうなる。お花はどんな?
すべてはそこから始まり、私は還ってきただけだ。「君っておかしい、めんどくさい人w」
ええよく言われる。つまんない人にはよく。
でも毎日楽しくって仕方ないの、じゃあねえ^_^

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