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パリオリンピック・2024 開会式
今のうちに書いとかないとね。
ちなみにスポーツのことはいっこも書いてません♪
開会式ぜんぶ視た。
なんだなんだあれは!
最初はガガ様目当て。
オリンピック、スポーツの世界大会のしょっぱながコレ⁉️
当然期待以上‼️鼻血出そう。この人はいつも予想を超えてくる。ショーダンサーのような羽根を多用したセクシーかつレトロでゴージャスなレビュー。もちろん彼女のピアノの生演奏つき。
美術館や史跡をめいっぱい使って、顔の見えない不気味な聖火ランナーがパルクールしながらパリ市街を縦横無尽に駆け巡る。そのあちこちにカーニバルのように待ち構える踊りの群集。40年くらい前のサントリーウイスキーのCMのような、奇妙で不思議なヴィジョン。
(↑ガウディ篇はフランスじゃないけど懐かしい)
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ヴィトンの工房や再建中の寺院にもシルク・ド・ソレイユみたいなダンサーたちが潜み、アニメや特撮をシームレスに組み合わせたイメージとリアルの世界に聖火ランナーは現れてはまた消える。
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とにかくダンサーの数。すごい。フランスってラテン系だったなあそういえば。踊らにゃソンソン歌わにゃソンソン。あとどんな肌の人も等しく出てきてうれしい。
そして私好みの、揃ってるけど軍隊みたいにキッチリ統制の取れてない人間味のある群舞。
マツコさんみたいに太ったきらびやかなドレスのDJ、パリコレのランウェイに見立てた橋の上をキャットウォークしたり踊りながら(トウシューズのトウで歩く人まで!男性)ゆく舞い手たち。有名バレエ団のエトワールからヒップホップダンサー、古式ゆかしい演舞からフレンチカンカン、アクロバットダンサー、ゲイにドラアグ・クイーン、ストレート、子ども、障害者、誰でもござれ。しかも全員エクストリーム❗️
色々ダメ出し(読んでない)する向きもあるみたいだけど、祭に水を差すなよ。嫌れぇだね野暮天は。
しかも地球規模の大祭だ。これだけのことを苦労して準備してきた人たちの心を思うと胸がいっぱいになる。選手たちももちろんだがもしここに自分や身内が参加していたらこれ以上の誉れはないだろう。
ゲイのように見える人たちが多く華やかに登場したけれどふと思い当たる。
この世を救うすべての天使にも仏にも、性別ってないのよね。
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大好きなドビュッシーの曲が世界的ピアニストによって演奏される。ため息が出た。
大雨でよかった。
なぜって、あれほどあの曲たちに似つかわしい気候はないから。私が正式にピアノを習っていたのは30少し前までだが、最終キャリアは一連のドビュッシーの曲とベルガマスク組曲にした。ショパンよりもずっと好きで、あれを極めて終わりたかったから。胸に迫らないはずがない。
ブラックの美しいオペラ歌手が国歌ラ・マルセイエーズを斉唱。
燃えるグランドピアノの演奏で女性シンガーが歌う『イマジン』は、作者ジョン・レノンとオノ・ヨーコの現代の地球を眺めての寂しさと哀しさが静かに漂った。
「戦争、終わってないんだね。まだ。」「ええ。でも大丈夫よ。」
そして各国選手団は船でセーヌ川をパレード。これは優しい。歩かなくていい上、世界的観光名所を船上クルーズしながら楽しくゆけるなんて画期的だし粋なはからいだ。
神出鬼没の聖火ランナーはやがて銀のメタリックで優美な機械馬に乗って夜の黒い川面をすべるように進む。歓呼も歓声もなく、たいまつがそうして運ばれてゆくのはとても神聖な趣があった。ハリー・ポッターに出てくる謎の魔術師のよう。
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人間のレジェンド達も聖火を運ぶ。でも、なんだかこれも、優しい儀式めいている。
昭和世代の記憶では、オリンピックの開会式というのはとにかく根性根性ど根性でついに辿り着く晴れがましい派手やかな祭典のはず。
すべてがちがう。
儀式。
なのに宗教でもない。
聖火を渡したランナーは次のランナーと始めは並走し、やがてみな共に歩く。最後に渡される「ランナー」は車椅子に乗ったかつてのオリンピアで齢、100歳。
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フィナーレはこれも大好きなエディット・ピアフの国民的名歌、『愛の讃歌』。セリーヌ・ディオンの歌声がエッフェル塔からパリ全体に降り注ぐ時、聖火を灯された月のように気球(気球はフランスが世界初、という)が浮かんで、エッフェル塔と少し距離を置いて静かに向かい合う。
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言葉が出なかった。泣いていた。
うれしさや感動や驚き、なんてものでは表現できない。
新しい世界への深い安寧。その世界の素晴らしいすべてが詰め込まれた宝の函が開いて…パンドラのそれのように。でも溢れ出したのは美しさとちからと歓びの花々。その最後の大輪の、悲しみさえもたたえた夜の雫。
とくにフランスに興味はなかった。好きな映画はあるしドビュッシーは大好きだし美術を観るのも好きだけれど、それ以外は知らない遠い異国。
けれど、この国や街や人々のこころは、とてもしっくりきた。私、こんなに好きだった?
知らないのに?
最近若くして亡くなった親友は若い時分から仕事で世界を旅したらしいが、最期まで愛してやまないのはパリだと言った。
あの上空で笑って観ていたに違いない。
私もいっしょに観てたよ。
素晴らしいの一語に尽きたよね、親友。
世界中の有名無名の(もしかしたら画面を眺めるあなたも、潜在的にそうかもしれない)
アスリートたちの肉体と魂に、ちからと歓びがありますように。
そして勝敗を超えた幸せと笑いが、どんな人にもありますように。