この先もきっと大丈夫。思い出は未来の中にあるから 『アイカツ!ミュージックフェスタ FINAL』はそう思わせてくれた
『アイカツ!ミュージックフェスタ FINAL』を見させていただきました。
アイカツ!シリーズの10周年を締めくくるライブ公演ということで楽しみにしていたんですが、「公演時間:四時間超」という長時間のライブにも関わらずダレている瞬間が一瞬も存在しない素晴らしいライブだったと思います。
まさしく全力で駆け抜けたと言って良いライブだったんですが、同時に「また次を見たくなるライブ」でもあって、そういう部分も含めて最高でした。
総評:「きっと大丈夫」をくれる
『アイカツ!ミュージックフェスタ FINAL』の感動を言葉にすることはとても難しいです。だって何もかもが素晴らしく、どの時間も楽しかったから。
「四時間超」という公演時間の中で「この時間が永遠に続けばいいのに」と思わない瞬間はありませんでした。「どんなに楽しい時間もいつかは終わってしまうんだ」ということを終わる直前まで忘れてしまうほど、『アイカツ!ミュージックフェスタ』は私の夢そのものでした。
そんな夢の中で私が感じ、そして胸に残っているのは「アイカツ!が好きだから私も、貴方も、みんなもこの瞬間を迎えることが出来た」という喜び、そして「これから先もきっと大丈夫」という勇気をくれる言葉でした。
ステージに立ったアイドル達は最高のいつも通り。
これまでと変わらない。そしてこれから先もきっと変わらない。
「最後だから」なんてことは一切感じさせず、ただ見てくれている人達全てを楽しませようと全力で歌い、踊り、語り、励ましてくれたアイドル達の姿は10周年で描いたメッセージそのものだったと言ってもいいでしょう。
「きっと大丈夫。今まで頑張ってこれたんだから。これからも、きっと大丈夫だよ」「またどこかで。きっと会えるって信じてるから」。
「今日と地続きの『昨日』」になることで10周年に最後のリボンを結んだ今回のライブは、いつまでも素敵な『昨日』として、未来の中に思い出を探しにいく私達に「素敵な思い出があるよ」と自信が持てる最高にアイカツ!シリーズらしいライブでした。よかった。これが見られて。
セトリ:皆が好きなものを詰め込んだ重箱
そんな『アイカツ!ミュージックフェスタ FINAL』でしたが、セットリストはというと「皆が好きなもの、食べたいものをいっぱい詰め込んだ重箱」だったなと思います。
「三曲~五曲で1ブロックとして、それが9ブロックもある」というセットリストなんですが、どこのブロックを切り取っても「各作品の強い楽曲しか存在しない」という本当に「ノンストップで駆け抜ける」構成なんですよ。、
とにかく序盤から終盤まで一切の加減なしで「強い楽曲」を叩き込み続けているので、見ていて飽きない。「神セトリのミニライブを9つ連続で見せているかのようなライブ」なので、こんなの面白くないわけがないでしょう。「皆が好きなもの、食べたいものを詰め込んだ重箱」と表現したのはそれが理由です。パーティー用すぎる。
こういうセットリストで四時間なので、大体の人はペース配分を間違えた気がするんですよ。
「四時間ライブ」までは前夜祭の公演時間を踏まえて読み切れたと思いますが、こんなぎっしり詰め込まれるとペース配分とか忘れてしまうし、最後まで体力を出し切った後、今度は精神力で楽しんでしまいますよね。
個人的にオススメはゴシックブロックとラスボスブロックです。
全部ヤバかった。
個人的に良かったもの
個人的に良かったものは日笠陽子と大西沙織、あとは『アイカツプラネット!』組でしょうか。今まで見られなかったものなので、そこの評価はどうしても高くなってしまいますね。
特に「Take Me Higher」は凄かった。何が始まってしまうのかで興奮したし、それが『アイカツオンパレード!』版の「Take Me Higher」であることが分かった瞬間、喜びと驚きで声が出た。多分奇声。
トライスターの「Take Me Higher」ならともかく、オンパレ版は歴代ラスボス達による「Take Me Higher」なので、まさか見られるとは思わないじゃないですか!見れて良かったです。
それはそうと最後に全員が一言づつ最後の挨拶を述べていく際、日笠陽子が前に出た瞬間に会場がどよめいたことと、霧矢あおいの歌を担当していたふうりさんが声を担当していた田所あずさと会えて喜んだことと、それを受けて感極まって泣いてしまった田所あずさのWあおいの「穏やかじゃない」と、座ってた観客に「立って」ではなく「立て!」と言い放った松永あかねのことは忘れないと思います。
なんだろうな、松永あかね。美山加恋に先輩風吹かせまくってた時から面白ぇ人だと思ってたけど、まさかシリーズ合同ライブで王になるとは思わなかったぜ。
MVP:藤城リエ
「MVP」みたいな話をしておきますと、正直なところ「皆一番!」だと思うんですよ。甲乙つけがたい。
本当に皆良かったんですが、それでもあえて一人を選ぶのなら、私は藤城リエ以外にいないと思っております。
歌唱を担当しているキャラが氷上スミレと騎咲レイと桜庭ローラであるということからも分かるように、藤城リエ担当はキャラ人気も楽曲人気もあるものばかりなんですよ。氷上スミレ!ということで「硝子ドール」もありますし。そもそもアイカツ!シリーズのダンスは全体的に激しいものが多かったりするので運動量が半端ではないではないんですが、藤城リエさんはあの楽曲数の中で全部のパフォーマンスが安定してよかった。
それだけでなく、キャラクターごとの歌い分けもしっかりとしているのであえて一人を選ぶなら彼女以外思い浮かばなかったです。
まあ松岡ななせとか顔が良いので、どのコーデを着ていても「そろそろ美しすぎる罪に問えない?」とか思いますし、実際今回も何度か思ったんですけどね。
最後に
でも『アイカツ!ミュージックフェスタ FINAL』で一番凄かったのは「またきっとどこかで会える」という予感をくれたことなんですよ。
公演名に『FINAL』とついているから「もう二度と会えないかもしれない」という気持ちがある中で今回のライブを見たんですが、ライブ全体から「もう二度とアイカツ!のメンバーとしてステージに立つことはないんだ」という終わりを感じるようなものは一つもなかった。あったのは「今出来ることを全力でやるだけ」という意思と、「楽しんでほしい」と言う思いだけ。
アンコール中も『アイカツ!ミュージックフェスタ FINAL』というライブ公演、そして10周年として続けてきたライブツアーが終わる事への寂しさが滲み出ているとは感じましたが、「アイカツ!自体が終わりで、もう二度とライブをやることはない」という空気感は全く無かった。
「今日はこれで終わりだけど、またどこかで会おうね」と手を振るようなさり気なさでライブ公演が終わった。再会に希望を託してもいい終わり方だったんですよ。
後にプロデューサーから「これが終わりじゃない。むしろ新しい始まりなので終わらせる気はない」と宣言されましたけど、まさにそんな「始まりの予感」で締めくくるライブだったので、なんだか救われた気になりました。純粋に楽しんでよかったんですね!やったぜ!
そんなわけで『アイカツ!ミュージックフェスタ FINAL』を皆で見ましょう。
この道の先ならきっと大丈夫だから。