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一ファンから見た『アイドルランド・プリパラ』のサーバー負荷テストの一連の流れと、その盛り上がりについての話

九条水音

2023年8月17日に『アイドルランド・プリパラ』がリリースされました。
『アイドルランド・プリパラ』とは、タカラトミーアーツが展開しているプリティーシリーズの最新作で、2014年7月から2018年3月にかけて展開された『プリパラ』『アイドルタイム・プリパラ』の続編となるアプリのこと。
2020年9月に「新作が開発中」として発表され、2020年12月6日にシリーズ合同ウィンターライブでWEBアニメと同時展開される予定だったのですが、品質向上を理由にアプリのみ合計五回も延期。
この作品から登場するキャラクターを演じた声優のパフォーマンスもこなれてきた2023年8月となってようやくリリースされました。

が、ここで「めでたしめでたし」とならなかったのが不幸なところ。
リリースされた17日15時から全くと言っていいほどログイン出来ず、メンテナンスを行うも事態が改善する要素が見られず。人が少なくなった早朝や深夜にはログインできることもあったのですが、まともにプレイできるはずもなく。24時間経過してもタイトル画面以外が全く見れない状態でした。
当日にアプリ内で配信する予定だったWEBアニメ最新話となる第四話は結局youtubeの公式チャンネルにて配信する始末で、「ゲームのリリース初日はトラブルがつきもの。死ぬほど見てきた」という私でもあんまりよろしくない印象でした。
18日の21時40分辺りまでは。

その時間にX(旧Twitter)のアイドルタイムプリパラ公式アカウントが「何が起きていたのか」の説明を始めたんですね。

プリパラシリーズは「ユーザーが自分のアバターを作成して作品世界でアイドル活動を行う」が基本コンセプトですが、それを作成する過程で大きな問題が発生していたり、メンテ中もアクセスが行われた影響が出ていたりとまあ大変な状態ですね。そりゃメンテの地獄にも入りますね。

ここまでは「分かる人も少ないだろうに、丁寧に説明しているな」「こういう分かるかどうかはともかく、ユーザーに説明を尽くす事を大事にしている運営は好感が持てるね」という話で、『ブルーアーカイブ』とyostarが説明を尽くす事でユーザーの信頼を勝ち取った部分を思い出すような温かい話ですね。ってサーバー負荷テスト！？
本番環境でサーバー負荷テストとか面白すぎるでしょう。
なかなか見れたものじゃない……まあでもサーバー負荷テストって言っても最終確認ぐらいでしょう。
それならまあ……と思っていたら以下の文章が公式アカウントから飛び出してきたのです。

機種ごとのサーバー負荷テストとか、本物のサーバー負荷テストじゃないですかー！最終確認どころか、むしろここで得たデータをもとに、これから改修計画を立てるためにやるやつじゃないですかー！
本当に予定になくて突貫的にやることになったせいで、サーバー負荷テストのスケジュールや一連の流れをまとめたPowerPoint作成画像も編集中のまま出しているし、なかなか味わえないがしたくもない体験をさせてくれるんじゃないよ！

ただこの話を聞いて、正直面白くなってしまったんですよね……。
「本番環境でサーバー負荷テストをユーザー参加でやる」という事の「とんでもなさ」も面白い事は面白いんですけど、それよりも「プリパラアイドル全員でこの事態を乗り切るための筋道を作る」という「『プリパラ』『アイドルタイム・プリパラ』のクライマックスで見た展開が現実に起きている」ということの面白さが勝っていた。
このサーバー負荷テストはファンほど「原作でも見た奴だ！」と言う面白さを感じてしまう危ない面白さがあったんですよねぇ……。
『プリパラ』『アイドルタイム・プリパラ』のクライマックスは、いつも「理不尽なシステムをプリパラアイドルの総意で変革する」なんですよ。
一年目は「ボーカルドール」という人ならざる存在の宿命により眠りについたキャラクターを皆の想いで目覚めさせようとするし、二年目はプリパラを歪めた事からシステムに「バグ」として排斥されてしまったラスボスを現実世界に戻すために皆の想いを集約するし、三年目は女神の消滅を皆の想いを届けようとする。
それを毎年見てきて、皆の想いを届けて奇跡を起こすたびに感動してきた人間としては、『アイドルランド・プリパラ』のサーバー負荷テストも「プリパラ最大の危機に思いを結集する」という原作と同じ文脈を見てしまうのは仕方がないと思うし、そこに面白さを見出してしまうのはどうしようも無いと思うんですよ。
こんな事は起きない方がいいし、ファンが怒っても当然だと思うんですけど、これを面白がってしまうぐらいには私は愛が深かったし、時間を使ってきたと思っているのでどうしようもなかった。出演者やアニメスタッフも参加を呼びかけてたのが本当に面白すぎた。

私みたいな「原作で見た奴だ！」と面白がっている人が多かったのかは分かりませんが、サーバー負荷テストはつつがなく進行していき……どうも「ファンからの運営の印象の変化」という思いがけない副産物をもたらして無事に終わったのでした。

そして昨日、サーバー負荷テストの結果を受けての再開日が発表されたわけですが……再開日は23日18時だそうです。

来週末にはバーチャルライブもあるし、9月末にはプリパラ単独ライブも控えている事を考えると期日はズラせなさそう。
担当者の精神状態とか考えると正直お通夜通り越して葬式みたいな気持ちになりますが、「出来る」と言っているのならできる限りは信じたいですね。頑張ってください。応援してます


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九条水音
プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。