『アイカツオンパレード!』君のEntranceと姫石らきの受け取りのサイン
『アイカツオンパレード!』視聴時に制作していたメモの山の中から「noteで記事化しようと思ったはいいものの、まとまった量にならなかったので記事にならなかったテキスト」を発見しました。
アイカツ!新シリーズ発表も延期し、WEBアニメの配信もまだまだ先のことでアイカツ!の話をする機会がもうちょっと先になりそうなので、記事にならなかったテキストの中から二本ほどをピックアップして記事にしておきます。
「君のEntrance」に至る話
「君のEntrance」という楽曲は『アイカツオンパレード!』の中で、何度も何度も歌われてきました。というか、「姫石らきがソロで歌う」となった時はほぼこの曲でした。
姫石らきが成長するにつれて、ライブは少しづつパワーアップしてはいました。しかし曲の変更はなく、新しいアレンジで見せる!みたいなこともなかった。なのでいつも見るたびに「そろそろ新曲がほしいなぁ」と思っていたのですが、『アイカツオンパレード!』という作品を「姫石らきがアイドルとしてスタート地点に立つ話」として見ると「彼女の曲は「君のEntrance」以外にあり得ない」と思うんですよ。
だってこの曲って「最終話時点での姫石らきそのもの」だから。
『アイカツオンパレード!』開始時点での姫石らきにとって、自分の夢や理想は空のように高く広く、言葉にしても絵空事のように掴みどころがないものでした。
しかし勇気を出して、扉を開いて、様々な世界と繋がったことで、『アイカツオンパレード!』が完結した直後の彼女は「本当の本気」を見つけていて、「いつかまた出会った日のために」走り出している。
これって「君のEntrance」そのものだと思うんですよ。
だから本編の中で、あるいはOPで聞いてきたあの曲ってある意味未完成なんですよ。
曲に対して歌い手の方が追いついてない。歌詞やメロディに対して、姫石らきは圧倒的に未熟で、曲の魅力も本人の煌めきも引き出せていない。
ただだからこそ節目に歌うことで彼女の成長が少しづつ感じられるとも思うんです。『アイカツオンパレード!』の物語が進むごとに、姫石らきがアイドルとして階段を一段、また一段と登っていくたびにこの楽曲は少しづつ完成されていくんですよ!
曲を発注した時点でこの展開が決まっていたのか、曲が上がってきた後でこの展開になったのか、それとも必死で組み上げていった先に「君のEntrance」があったのかはわかりませんが、最終話まで見終わった今としては「君のEntrance」という楽曲が『アイカツオンパレード!』にあってよかったと強く思います。
瞳は受け取りのサイン
また最終話を見ている最中に脳裏に思い浮かべていたのは、アイカツ!ミュージアムで読んだ色彩設計担当の大塚眞純さんの「姫石らきの瞳には歴代主人公の色が入っている」という言葉でした。
アイカツ!ミュージアムに行った当時は、「言われてみれば確かに湊みおの青とか友希のピンクが含まれていますし、オレンジとかも入っている。色彩設計レベルで面白すぎる」と、大塚さんの言葉と共に展示されていた解説つきのデザイン決定稿を見て楽しんでいたのですが、最終話で「先輩達から受け取ったものを今度は私が誰かに渡せるように」と語る姫石らきを見た時に、先に述べた大塚さんの言葉と「Let's アイカツ!」の「瞳は受け取りのサイン」というフレーズを思い出しまして。
「姫石らきは歴代主人公達から様々なものを受け取るアイドルだから、歴代主人公達の色を瞳に宿している」「瞳なのは『瞳は受け取りのサイン』だから」と感動してました。
大塚さんの色彩設計の話もあって、私は『アイカツオンパレード!』であそこまで打ちのめされたわけですが、こういう作品の色使いとかデザインとかについて掘り下げた本とか出ないですかね。読みたいんですが。真面目に(ついでにライブの衣装も全部本にまとめて欲しい)。
プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。