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『プリパラ』好きは大プリパラ展に行け

2024年7月に『プリパラ』が10周年を迎えた。
そんな『プリパラ』の10周年を記念した展覧会「大プリパラ展」が、8月より全国四箇所を巡業する形で開催されているが、東京都シプヤ→プクオカを経てようやく関西にやってきたので行ってきた。初日に。

本展覧会は「1000年後の未来からやってきたプリパラアイドルの「らぁるる」と共に展覧会を巡りながら現代のプリパラを伝える」をコンセプトにしている。
1000年後の未来ではとある事情でプリパラの歴史を記した資料が破棄されてしまっており、神アイドルであるらぁら達のことも正確な情報が伝わっておらず、都市伝説レベルのふわっとした情報しか残されていないという。
らぁらの決め台詞「かしこま!」が「カニカマ!」として伝わっているぐらい未来の住人であるらぁるるを案内する!というコンセプトは面白かったし、「要所で相当古くから人類の歴史とともに存在していることは判明しているが、具体的にどういう内容なのかは全く知らない」の一つであるプリパラの歴史は「大プリパラ年表」として発表されており、「創世記」「ピックパン」から始まるスケールの大きさと本編の位置づけがしっかりと記された内容は見にきたファンを圧倒するパワーがあったと思う。
プリパラアイドル達の紹介もしっかりと行われていて、「多いとは思ってたけどこんなにいたんだな」と思わされたし、等身大アクリルスタンド(会場で注文可能。お値段は約20万)を用いたそらみスマイルとドレッシングパフェ、ファルルの紹介は存在感もあって素晴らしかった。
また作中に登場した小道具を本当に作ってしまったせいで、「これ、プリパラ世界の歴史に残っちゃったんですね……」という「存在してしまうことの面白さ」が出ていたのはこの展覧会の味と言えるだろう。
原寸大サイリウムタクトはともかく、語尾カットホンとかアレとかは面白すぎた。雨宮のみれぃへの愛、歴史に残っちゃったのォ?

個人的には、この展示会を通して「100年先も1000年先も『み~んな友達!み~んなアイドル!』」を強く感じられたことが一番良かった。
前述したように1000年後の未来ではらぁら達の事は正確に伝わっていない。
資料が破棄されてしまった影響ではあるが、「神アイドル」というプリパラアイドル界の頂点に辿り着いたのに、1000年後の未来ではそらみスマイルのことはふわふわとしたイメージのみで語られている状態である。
それは歴史を語り継ぐことの難しさなので、未来では風化してしまっていることに2024年の住人としては寂しさを覚えないわけではないのだが、それでも未来でも変わらずに残り続けていることがある。
それが「み~んな友達!み~んなアイドル!」。
らぁら達が10年前から叫び続けていたこと。
「らぁら達の事がふわっとした知識でしか伝わってなくても、らぁら達が叫び続けたものは1000年経ってもプリパラの中で輝き続けている!」って事実はそれだけでもう面白いことなのだが、それをしっかりと今回の展覧会を通じて描いてみせた事実に感動する。
「あ、この人達は作品の記憶が薄らぐ事はそれほど問題だと思ってない。大事なのは作品が描いた事がその後の人生に寄り添い続けられるかどうかだと思っている」というのはシリーズを嗜み始めてからずっと感じていたことではあるが、『プリパラ』10周年でそこにしっかりと合わせたテーマを作った展覧会を開催しているのは「ここまで見据えてこその10年」という子どもに本気で向き合う大人の本気を見せられた気がした。プロの仕事だ。
そしてそれを象徴する展示物が最後に現れる部分には構成の力を感じる。
10年前に感動したあのシーンが現実に現れることで、「あの日から『み~んな友達!み~んなアイドル!』が人生に寄り添い続けてきた」という事実を突きつけてくるのは本気すぎやしないだろうか。展示物を見て涙ぐんだのに意味を考えてたらどうかしていると思うほど本気で、涙も引っ込んだ。

最後になったが、今回の大プリパラ展では入場口で1000円を支払えば利用できる音声ガイドがあるのだが、こちらを利用することをオススメしておく。なぜならこのnoteに書いた内容は、この音声ガイドを踏まえて書いているからだ。
前売券が1500円で入場券が1800円なので、1000円は割高に思えるかもしれないが、1000円払えば24時間は聴き放題なので帰宅後にパンフレットを読みながら聞き返す事もできるので思い出に浸れると考えれば、個人的には高くはないような気がする。
あと物販は入場時にもらえるチケットが必要なのだが、プリチケ形式である。つまり物販コーナー入場時に上部を切り離される=チョキられる。
この辺も作中再現として面白いので体験してみると良いと思う。パンフはマジオススメ(年表が入ってるので)。

というわけで、『プリパラ』好きは「大プリパラ展に行け」という話でした。最高の時間だった。

おまけ:

らぁるるのグッズとか多分ここでしか手に入れる機会がないので、ちゃんと買えてよかったです。
森脇真琴監督が『プリパラ』で「らぁらとファルルの子孫」という設定で使用していたキャラがまさか10周年記念キャラになるとはね!



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九条水音
プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。