『Do It Yourself!!』が心を癒やす場所を作ってくれた話
仕事量が多いと心が荒んでしまう。
「やらなければならない作業」であればまだ許せる。しかし積み上がった「本来ならやらなくてもいい作業」は心から余裕と潤いを奪い、荒れた心には「全部終わった時、覚えてろよ」が花を咲かせる。
よろしくない。とてもよろしくない。
心には潤いが必要だし、花が殺意の種をつける前に摘みとる必要がある。
私にとって『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』はまさに心に潤いを与えてくれる作品だった。
『Do It Yourself!!』は何と言ったらいいのだろう。
本作について考えると「シナリオが良い」「声優の演技が魅力的だ」「題材が面白い」「キャラクターをずっと見ていたい」などと言ったことはどれも思い浮かぶが、どれもこの作品を見ている時の私の気持ちとしては正しくない。
あえて言うのなら『Do It Yourself!!』は面白いのだ。
映像としても。作品としても。物語としても。キャラクターとしても。
『Do It Yourself!!』はただそこにあるだけで面白い。
推しがそこにあるだけで心の栄養として元気が湧くように。
『Do It Yourself!!』はただ面白い。
細かい理屈が思い浮かんでも、見ている時に湧き上がる「面白いなぁ」という気持ちの前ではどうでもよくなってしまう。心地良い時間が体に染み込んでいくのを楽しむような面白さが『Do It Yourself!!』にはある。
疲れていても、荒んでいても。楽しくても。
『Do It Yourself!!』の程よく力が抜けていて、でも力が欲しい時にはしっかりと力を入れる「ちょうど良さ」は今の私にとっては「最高に体に合う」。この作品を「面白い」と感じている心、時間を楽しませてくれる作品なのだ。「生きている」って感じがする!
とりわけジョブ子が入ってからのエピソードは面白く、何度も見返した。
「自分達の手で何かを作る面白さ」から始まった物語がジョブ子加入からは「自分達の手で自分達の居場所を作っていく」に変わっていく。その完成形として設定されたものが「秘密基地」で、一つ一つ積み上げながら近づいていく事に心がときめいてしまう。凄い作品だ。
『Do It Yourself!!』のような作品がこの世界に存在している事には感謝しか無い。
類まれな豊作である今期だが、貴方の視聴リストの末席でいいので『Do It Yourself!!』を加えてもらえるとこの作品に魅せられた人間としては嬉しい限りである。