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WEBアニメ『アイカツオンパレード!』悩みの答えを教えてくれたプレミアムスクールドレス

5月2日はアイカツ!の日!ということで、『アイカツオンパレード!』の配信に合わせて様々な物を調整して、リアルタイムで見ておりましたが、やっぱり『アイカツオンパレード!』は素晴らしい作品ですね。三話も最高でした。

というわけで、いつものメモ書きです。

「仲間だけどライバル」の難しさ

三話で描かれていたのは「『仲間だけどライバル』『ライバルだけど仲間』に悩む音城ノエル」でした。

音城ノエルと風沢そらと姫里マリアは「ドリームアカデミーの代表として一緒にステージを立つ仲間」ですが、「決勝ステージへと出場できるのは一人」というルールの関係上「出場権利を巡って競い合うライバル」でもあります。
風沢そらと姫里マリアはアイドル経験も長いですし、二人とも既に自分達の答えを見つけているアイドルなので、特に思い悩むことはなく「ドリームアカデミーの代表として恥じないステージを!」と「選ばれるのは自分だ!」という意識を共存させることが出来ますが、この間デビューしたばかりの新人である音城ノエルは頭で理解していても心がついてこない。
そんな音城ノエルが「自分だけの答え」を見つけるのが今回のエピソードだったわけですが、まず最初に言っておくと今回のような「仲間だけどライバル」に思い悩むエピソードってアイカツ!シリーズでは定番中の定番なんですよね。

個人的に印象深いのは氷上スミレでした。
彼女は「一緒に努力していても、オーディションの結果によって勝者と敗者が生まれる」という残酷さを目の当たりにしたことで一人を選んでいた少女でしたが、大空あかりとのアイカツ!を通じて「それだけではない」ということを学んで変化していきました。
シリーズとしては初めてデュオユニットを採用した『アイカツフレンズ!』では、多くの場合は序盤で描かれていたこの種のエピソードをあえて中盤で描くことで、友希あいねと湊みおがあえて一人一人のアイカツ!に打ち込むことで二人になった時により強い輝きになる……という物語になりました。

こういうある種伝統めいたエピソードを限られた話数&短い時間の中でも「ちゃんとやろう」としたところに、アイカツ!シリーズの心意気を感じますね。
また音城ノエルは新人アイドルにも関わらずいきなりトップアイドル達の戦いの中に放り込まれているわけですから、この辺りの心境を理解しやすいところも面白いところでした。

スクールドレスが教えてくれた

ただ音城ノエルも、「仲間だけどライバル」「ライバルだけど仲間」ということを理解していないわけではないんですよね。

姉である音城セイラや冴草きい、星宮いちごや大空あかり達の姿を見てきたわけじゃないですか。風沢そらや姫里マリアは具体的かつ直接的な言葉にこそしないものの「仲間だけどライバル」「ライバルだけど仲間」ということを立ち振舞いで雄弁に語ってきたわけじゃないですか。
その姿を見ているから音城ノエルも頭では理解していると思うのです。
でも頭で理解していても心がついてこない。
だからこそ彼女は悩むし、理解しようと懸命に務めるほど余計に心がついてこない事に追い込まれていくわけですが、そんな音城ノエルの悩みをプレミアムスクールドレスが解決へと導く展開は素晴らしかったですね。

スクールドレス自体が「その学園の生徒である」ということを物語るもの。つまり同じスクールドレスを着ている人達は「同じ学校でアイカツ!をしている仲間」なんですよね。
プレミアムになってもそこは変わらないわけで、プレミアムスクールドレスから「同じドリームアカデミーでアイカツ!をしている仲間」を学び、「ステージの上に立てるのは一人」というのを先輩たちの姿勢から学んでまた一歩進んでいく音城ノエルは燃えますし、「ステージの上でアイドルの味方で傍にいてくれるのはコーデだけ」というアイカツ!らしさがあって凄く良いと思います(あとアイドルとデザイナーの二人三脚要素を彷彿とさせる展開なんですよね、これ)。

確かな答えで前へと走る音城ノエル

これは個人的な見解ですが、大空あかりと音城ノエルの違いが明確に示されたのも面白かったです。
大空あかりも音城ノエルも目の前の物事には全力かつ誠実に向き合うという点では全く同じタイプなんですが、自分の知識だけで理解出来ない事に直面した時の行動が両者は違うんですよね。

大空あかりは「とりあえずやってみる」と悩みながらでも走り出せるタイプで、この辺りはお天気アナウンサーの辺りで描かれてましたね。
彼女の良いところの一つですし、そうやって悩みながらでも自分に出来ることを精一杯にやっていく姿が一緒にアイカツ!をする仲間たちや、それを応援するファン、あとデザイナーで理解者の瀬名翼に様々なものをもたらしていきました。

音城ノエルは「とりあえずやってみる」じゃなくて「自分の中で確かな答えがないと動けない」なんですよね。あらゆる物事に誠実に向き合おうとしているからこそ「生半可な覚悟で触れていいものじゃない」と思うタイプで。
だから悩みが発生すると足を止めてしまうし、突発的な物事への対応も遅れてしまう(この辺は楽屋取材に来たアナウンサーへの受け答えで描かれてましたね)。
ただ自分の中で「これだ!」と思える答えが出たら彼女は全力で走れる。その答えだけを信じて、ゴールまで全力で突っ走れるタイプの人間だと思うのです。
その辺が現れたのが「もう一度」と挑戦した受け答えだと思います。
最初は答えがなかったからドリームアカデミーの代表なのに変な受け答えをしてしまったけれど、でも悩みの中で得た確かな答えに殉じて受け答えすると彼女はああいう誠実で、芯の強いアイドルになるんじゃないでしょうか。
その証明が姫石らきが見たアイドルオーラなんだと思います。

「本物のアイドルになった」という確かな答えを視聴者の中に目覚めさせる素晴らしい展開でした。

最後に

WEBアニメになってから一話ごとの時間が短くなってはいますが、一話から三話までは「音城ノエル」という一人の少女に物語を絞りきっていて物語としての純度は増している気がするので、これもこれでありかなと。
普段のアイカツ!の賑やかさが薄らいでいたり、せっかく立ち上がったドリアカ代表三人の疑似姉妹関係をここで捨ててしまう事が勿体ないとかありますが、尺がある程度自由なWEBアニメだからこそ出来ていることがありますからね!

さて、次回は約一ヶ月後ですが、完成する目処が立っているからこそ日付を出したわけですし、配信される5月30日を楽しみにしてます。




プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。