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『アイカツオンパレード!』アイカツ!を繋ぐオンパレード三部作について

『アイカツオンパレード!』も残すところあと一話になりました。
この後に音城ノエルと姫石らきが主役を務めるWEBアニメの展開が決定している他、秋には新作を控えているので「来週でお別れ!」というわけではないですが、10月の放送開始からの半年間は本当に楽しかったです。「死んだ」「最高」「無理」をワルツのように繰り返す半年間は最高でした。

ただ「最高の半年間だったからこそ、その最後はちゃんと終わって欲しい」とも思っていました。

アイカツ!シリーズは今後も続いていく。
続いていくからこそ『アイカツオンパレード!』は『アイカツオンパレード!』として終わり、「アイカツ!シリーズ」という星空の中でしっかりと輝いていて欲しい。
姫石らきの「自分だけのプレミアムレアドレスでステージがしたい」という夢が叶った時から「この物語が『アイカツ!』や『アイカツスターズ!』『アイカツフレンズ!』とともに輝くためには、どういう終わり方が適切なのだろう」と考えながら『アイカツオンパレード!』と向き合っていたのですが、最終盤となる22話から24話にかけて描かれた物語は、間違いなく『アイカツオンパレード!』にしか出来ない「パレード」で、最高にハッピーでした。

シリーズのテーマを繋ぐ

『アイカツオンパレード!』22話から24話にかけて描かれたのは、姫石らきが主催するアイドルイベント「アイカツ!オンパレード」の様子でした。

『アイカツ!』のスターライト学園、『アイカツスターズ!』の四つ星学園、『アイカツフレンズ!』のスターハーモニー学園を一話ごとにめぐり、その作品のアイドル達がライブをする。
そのイベントを三部作構成で展開する!というのは「全ての作品の世界が融合した」という『アイカツオンパレード!』にしか出来ない豪華絢爛さですし、それだけでも「面白いじゃない!」とファンとしてはなってしまうのですが、むしろ凄かったのはシナリオの方でした。

アイカツオンパレード!三部作って、「各作品のテーマを繋いで、一つの物語にする」をやってるんですよね。

自分のことを甘やかしたら全部見抜かれてしまうよ

例えば22話で舞台となったスターライト学園では神崎美月に『先輩達の好意に甘えているだけ』と指摘され、自分の力でステージを作り上げようとする姫石らきの様子が描かれました。
「自分が発起人でありながら、最初から先輩達の好意を前提としたイベントにしてしまう」。それを神崎美月が「なし」とするのはキャラクター的なところ以上に『アイカツ!』っぽいんですよね。
だって『アイカツ!』は「自分にできることを全てやらないと結果は応えてくれない」という作品ですから。この時点での姫石らきは「他人の好意に甘えているだけ」。自分の努力というのはせいぜいオファーを出しただけなので、それは『アイカツ!』という作品的にも「ナシ」なのは当然のことだと思います。
ただ「自分にできる努力を全部やったからこそ、結果は応えてくれる」もまた『アイカツ!』らしさ。
自分一人でステージを作り上げた姫石らきの今の精一杯を認めるからこそ、神崎美月は自分の精一杯で応える。

そういう流れこそが『アイカツ!』らしさですし、その辺りを二代目の主役だった大空あかりを交えてでも展開してきた点も上手かったですね(死因:カレンダーガール)。

みんなで輝く

23話で描かれたのは『アイカツスターズ!』の舞台となる四つ星学園でのステージでしたが、こちらで描かれたのは「みんなで輝く」ということでした。
「『アイカツスターズ!』のテーマでそこを抜き出してくるかー」というのはありますが、確かに『アイカツスターズ!』において虹野ゆめがエルザ・フォルテに勝てたのは「ただ一つのアイカツ!」ではなく「皆のアイカツ!があるからこそ、私は輝ける」という点にあるので、そこを抜き出してくるのは当然の展開であるといえましょう。
むしろ重要なのは、その「みんな」を『アイカツスターズ!』の中だけに留めるのではなく外へと広げたということなのかも知れません。

白鳥ひめがいなくなったのは神崎美月にオファーを出すためでした。
先に述べたように神崎美月は『アイカツ!』世界の住人なので、『アイカツスターズ!』の当番回で神崎美月の登場は変といえば変なのですが、ただ「全ての世界が繋がった今のこの世界」において「みんな」の定義を『アイカツスターズ!』のアイドル達に限定する必要はありません。
むしろこれまでの『アイカツオンパレード!』で描かれてきた「世界の垣根を超えたアイドル達の交流」を考えるのなら、「『アイカツスターズ!』外のアイドル達の輝きもあるからこそ、より一層私は輝ける」と、より発展した結論になる方が『アイカツスターズ!』らしいんじゃないでしょうか?

なので、23話の展開は(白鳥ひめの行動は突飛ではあるけれど)『アイカツスターズ!』のテーマを上手く拾った上で、シリーズ全てがクロスオーバーする『オンパレード!』の世界だからこその発展型を見せた回だと思います(死因:episode solo)。

トモダチカラ

そして『アイカツフレンズ!』回となった24話ですが、私は「フレンズ」という要素がクローズアップされると思っていました。
なぜなら『アイカツフレンズ!』にしか「フレンズ」という概念は存在しないからです。
作中で言及されているように、『アイカツ!』も『アイカツスターズ!』もユニットを組む事はあります。
ただ『アイカツ!』は「アイドル一人一人に相応しいステージがある」という価値観がありますし、『アイカツスターズ!』には「それぞれの道がある」という価値観が前提としてあるので、「ユニットを組む」ということは「それぞれのステージや道が交わった」以上の何物でもありません。
もちろんそれはそれで素晴らしいことであるのは確かなんですが、価値観としては圧倒的に「個人>ユニット」なので、『アイカツフレンズ!』のような「トップアイドルでもユニットは組むべき」は『アイカツ!』や『アイカツスターズ!』にはない価値観なのです。

だから『アイカツフレンズ!』を持ってくるのなら「フレンズ」だと思っていましたし、「ひょっとしてわかばちゃんがフレンズを組む展開が……?」と思っていたんですが、まさか「トモダチカラ」の方を持ってくるとは思ってませんでしたね。
そしてそこでトモダチカラを持ってくることに、こんなにも感動するとは思いませんでした。

考えてみればトモダチカラをここで持ってくるのはある意味当然のことだと思うんですよ。
アイドルは観客がいなければステージを成立させられない。
観客もアイドルがいなければ楽しむ事ができない。
両者が協力するからこそ素晴らしいステージが成立するわけで、アイドル達と観客が協力しながら困難に立ち向かい、ステージを成立させる「トモダチカラ」な展開って『アイカツ!』や『アイカツスターズ!』にも通じるものじゃないですか。
それにこの世界のトップアイドルであるピュアパレットはトモダチカラでより強く輝く……。『アイカツフレンズ!』の一番美味しいところを切り出された感が凄かったですが、観客も一緒になってステージを作り上げる「トモダチカラ」を引き出した姫石らきがアンコールステージに立つ方が本命になっている展開にはシビれましたね。
春風わかばとの絡みも面白くて、最後は二人でこれからの自分達のアイカツ!へと誓うところで締める。
穏やかじゃない結末でした(死因:ひとりじゃない!、君のEntrance)。

最後に

そして最終話ですが、アイカツオンパレード!を成功させた姫石らきへ、アイドル達から感謝が送られるそうなんですが、サブタイトルが「光る未来へ」なんですよね。

最後、もしかして、「SHINING LINE*」も、来る?

死ぬと思いますけど、最終話も楽しみです。


プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。