『原神』人ではない看護師長シグウィンが刺さった
『原神』が三周年を迎えました。
そしてそれに合わせる形でver4.1がリリースされ、三年目の舞台となる水の国フォンテーヌを舞台とした物語の第三幕第四幕が開幕しました。
第三幕第四幕の舞台はフォンテーヌの水中監獄「メロピデ要塞」。
このヌヴィレットの依頼でメロピデ要塞に潜入した旅人とパイモンは、収監されていたタルタリヤの行方を追うことになるのですが、その中で明かされていく「フォンテーヌ滅亡の日がどのようにしてもたらされるのか」「ヌヴィレットやリオセスリ達の考え」「ファデュイ達の思惑」は、次バージョンの完結編を期待させるものだったかなと思います。
第三幕第四幕自体も、登場するキャラクター達が一筋縄ではいかず、シナリオ進行で印象がコロコロ変わっていくシナリオで、一気にやり終えてしまったんですが、個人的に気に入ったのはシグウィンでしたね。
シグウィンは「メリュジーヌ」という人間と異なる種族でありながらメロピデ要塞の看護師長を務める存在で、メロピデ要塞の管理者であるリオセスリからの信頼も厚いというキャラクターなんですが、このシグウィンのいいところはやっぱり「メリュジーヌでありながら、人間も治療できる看護師長である」というところなんですよ。
フォンテーヌではよく見かけるメリュジーヌですが、街中で見かけるメリュジーヌってシグウィンみたいな容姿じゃなくて、もっと動物っぽいんですよ。
具体的にはこんなビジュアルで、全然人間に近くない。シグウィンは「人間に容姿が似ているメリュジーヌ」と言う扱いですね。
そんなメリュジーヌなので、人間とは本当に全然違う生き物なんですよ。文化も価値観も、生物としても人間と異なる存在であると描写されていて、サブクエストでもそうしたことは繰り返し述べられている。
「え、じゃあ人間の治療って出来ないでしょ。人間」
シグウィンが良いのは「自分と根本的に異なる存在である人間のことを、表情筋の微細な変化から心理状態を読み解けるぐらい勉強している」というところなんですよ。「自分がどういう表情をすれば患者が安心感を覚えるか」まで勉強して、それを実践できている。
そういう「医療従事者としての誇りと実力」がシグウィンに感じられて、ぐっと来たんですよね。
まあその設定が明かされたシーンは「旅人が急病の芝居で切り抜けようとしていることを見抜いた上で、その芝居に乗っかって出方を伺っていた」という事が発覚するシーンなんですけど。
あとこういう「キャラを演じることで信頼を得る事を喜ぶ」みたいなのも刺さった。
いいじゃないですか、こういうしたたかな看護師。異種族相手に立ち回る処世術感があってシビれる。
実際シグウィンの身につけている「人の表情から心理状態を読み解く」「相手に任意の感情を抱いてもらう表情づくり」って、治療や看護に必要な技術だと思うんですよね。
「苦痛に歪んだ顔の中でも特定箇所を触った時だけ少し反応が違う」みたいなのは読み解けた方が患部を特定しやすいし、早く治療を終わらせたいあまり嘘を言う患者もいるだろうからその嘘を見抜けた方が絶対いいですからね。
「どんな表情をすれば相手に任意の感情を抱いてもらえるか」についても、安心してもらうためには必要でしょう。
内心では「これはちょっとひどい」と思っていても、外面では「大丈夫」という顔をしないと患者は不安になってしまう。
そういうことを身につけているシグウィンは「メリュジーヌ」と言う設定以上に「看護師」という設定を強く感じるので、キャラクター表現として面白く感じましたね。まあメリュジーヌであることも加点対象であることは否定しませんが。いいよね、メリュジーヌ。
それにしても。
フォンテーヌ編に登場するキャラクター達は第一印象が信じられませんね。様々な顔を使い分けているので、状況によって全然違うキャラクター性を見せてくれる。
ヌヴィレットも最初は堅物だと思っていたのに、第四幕まで読み終えてみると「柔軟さも兼ね揃えていて意外と話せる奴」だったし、フリーナも神としての責任を感じている素振りを見せているので「最終的に誰を好きになるか」は終わってみないと分からなそうな手応えをひしひしと感じます。
現時点ではシグウィンとフリーナが好きなんですが、もしかしたら後から上がってくる奴がいるかも知れない。
その頃にはピックアップが終わってるかもしれないと考えるとなかなか怖いんですが、シナリオで魅せてくれた結果が自分のミスを責める展開なら仕方なし!
早く4.2がリリースされる日になってほしいですね。それまでは4.1を楽しみます。