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『ラブライブ!スーパースター!!』1stシングルのMVが最高だった。
4月7日に『ラブライブ!スーパースター!!』の1stシングル「始まりは君の空」が発売されました。
『ラブライブ!スーパースター!!』はラブライブ!シリーズでも初めて「公募」という形でキャストが選ばれるなど、「ラブライブ!シリーズの次の可能性」を感じさせる企画ということもあり、発表から今日まで「出来上がったもの」を確認できる日を心待ちにしておりました。
しかも今回の『ラブライブ!スーパースター!!』は『ラブライブ!』で監督デビューを飾り、『宝石の国』を作り上げ、去年には『クレヨンしんちゃん 激突! ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』を担当した京極尚彦が務めるわけですからね。
京極さんのファンとしては「見ない理由がない」と言ってもいいぐらいに「1stシングルのミュージックビデオ」を楽しみにしていたのですが、やっぱり最高でした。
キャラの見せ方が上手い
京極さんはキャラクターの見せ方が上手いと思うのです。
少し見ただけで「この子はこういうキャラクターです」と理解できる。
初監督作品だった『ラブライブ!』の頃からそうで、「何気ない仕草をフレームでどのようにして切り取って、キャラクターの魅力として演出するのか」ということが滅茶苦茶上手いんですね。
今回はLiella!デビューシングルのミュージックビデオ、すなわち『ラブライブ!スーパースター!!』にとっては初の映像作品ということで、京極さんの良さが発揮されていたと思います。
特に良かったのは平安名すみれが腕を大きく広げる動きとカメラの下がる動きが連動している箇所と、落ちサビ直前でしょうか。
前者は腕を大きく広げる動きに合わせてカメラが下がることで画面いっぱいに平安名すみれが収まるんですが、その直後のドラマ部分と合わさることで「この子は『私を見てほしい』という気持ちが強い子か」ということが伝わってくる(カメラを強引に自分へ向けているような印象になる)。
後者は自由パートという感じで、各キャラが思い思いのポーズを決めているのですが、カメラに向かって素直なピースサインをしてくる子もいれば得意なダンス要素をワンポイントで差し込んできたりする。
そういう動きをカットをほとんど切り替えずにやってくるので、個性みたいなものを感じられて凄くよかったですね。
ストーリーコンセプトの見せ方
また今回のミュージックビデオは、『ラブライブ!スーパースター!!』のストーリーコンセプトみたいなものが散りばめられていて、「今回はこういう物語をやります!」ということが伝わってきた点も京極さんらしくて面白かったです。
今回のミュージックビデオでは主に前半部分でキャラクター達の背景、後半部分で「Liella!とはどういうスクールアイドルなのか」ということが描かれているのですが、まず前半部分について述べると、ここで描かれているのは寂しい描写ばかりなんですよ。
「大勢の中から選ばれることがなかった子(平安名すみれ)」「みんなの輪の中に入ることができなかった子(嵐千砂都)」「一人でレッスンを続けている子(葉月恋)」など、華やかさと無縁で。どちらかといえば孤独感とか疎外感のようなものが強く表現されている。
渋谷かのんのように「ステージに立ったものの歌うことはできない」とか「自宅のベランダで一人うつむいている(唐可可)もありますが、いずれにしてもそこにはポジティブさはないし、そもそも一人の描写が多いんで「孤独である」ということが強調されたものとなっている。
しかし二番サビ終わりぐらいからそうじゃなくなっていく。
具体的に「屋上で五人が集合」「夜空に流れる星をバラバラの場所で見上げている五人」「五人での練習風景」とLiella!の描写が増えているんですが、この流れにより「何らかの孤独を抱えた子達が、集まって、あの夜見た星のような存在を目指す」ということが語られているなと思いました。
またそう考えると、今回のミュージックビデオの1カット目が「都心を見下ろしている」だったことと、その次の描写が「カメラを引く→ステージの星を通過する→フレームにLiella!が収まる」の流れだったこと。そしてラストカットが「全員で空を見上げている」というシチュエーションだったことにも物語を感じますね。
あれは「今は地上から見上げるだけだけど、天高く輝く星から見たような景色を見るために、私達はLiella!で輝いていく」ということなんだなと。いつか彼女達は星の視点を手に入れるんだなと。
そういう見方が出来る映像だったので、滅茶苦茶熱かったですね。
結びに
上記から漏れましたが、今回のミュージックビデオは技術的にも面白かったです。
基本衣装にでかいパーカーを羽織った姿でダンスをさせてる辺りからして「なんか凄いことやってる」と思いましたし、満を持して脱ぐシーンでは3DCGと手書きの切れ目がわからなさが極まっていてコマ送りして確認したりしてました。
また葉月恋→唐可可へと移行する時に、嵐千砂都を差し込む辺りとかも意外性があってよかったですね。「えっ、この子が次のパートを歌うの?」と思わせておいて、違うキャラが歌うことで双方が印象に残りますし。「唐突な足」の発展型として押さえておきたいですね。
デビューシングルが発売され、7月にはTVシリーズの放送も控えている『ラブライブ!スーパースター!!』。
これからもしっかりと見ていきたいですね。
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