『プリパラ』が全話配信されたからオススメエピソードを紹介してみた ~三期 神アイドルグランプリ編 ~
Amazon Primeの見放題に『プリパラ』『アイドルタイム・プリパラ』が追加されたことを記念して、各シーズンのオススメエピソードを書いていく企画の第三弾です。
先々週は1st seasonについて、先週は2nd seasonについて書きました。
今週は三期となる神アイドル編の予定だったのですが、話数が多すぎて絞り込めなかったので「神アイドルグランプリ編」と「日常編」に分けることにしました。
神アイドル編はプリパラシリーズの集大成ですからね。終盤になればなるほど「削るエピソードが本当にないな」ということになりがちですね。無理に削るぐらいなら全部紹介したいですから。
神アイドルグランプリに絡む話と、絡まないけど傑作な話。
どっちも紹介したいのです。
90話「神アイドル始めちゃいました!?」
毎年恒例の新シリーズ第一話。
ついに開かれる事になった神アイドルを決めるための大会「神アイドルグランプリ」の概要説明がメイン……というわけではなく、どちらかと言えば「プリパラに初めてきた女の子をらぁらが案内する」がメインとなっております。
一年目は案内される側で、三年目は案内する側になるらぁらの姿に「あっ、成長してるな!」となってしまうのはここまで見てきたからでしょう。こういうエピソードの積み重ねがあるからこそ面白いと思います。
またキャラクター紹介としても綺麗にまとまってるので、振り返る目的としても凄く優れてますね。こういうのを卒なくまとめてしまうところに『プリパラ』の凄さを感じますし、ただ「神アイドルグランプリが始まる!」だけでなく赤ちゃんのジュルルが登場することで予想を外してくるところも面白いです。
101話「キタ!神アイドルグランプリ!」
101話の何がいいって「トライアングルじゃ勝てない!」という展開になることだと思うんですよ。
トライアングルというのは、らぁらの妹ののんが一人三役で演じているアイドルユニット(声優も当然田中美海が三人全て演じている)のことなんですけど、これまで実力的には申し分ないものを見せつけてきたトライアングルがそらみスマイルに圧倒的な実力差を見せつけられて負ける。
特に「そらみスマイルの個性とチームワークに負ける」という展開は、プリパラのテーマの一つである「友達」という要素を強めていてぐっと来ますね。
またのんに「らぁらに勝つためには、自分もらぁらにとってのみれぃやそふぃを見つけなければならない」という試練を与えているところも地味に好きですね。
一つのエピソードで、複数チームの話を展開してくるのはプリパラらしいです。
105話「ガァルル、目覚めるでちゅーっ!!」
「『プリパラ』で一番の傑作回は?」と聞かれたら、私は迷うこと無くこのエピソードを上げるでしょう。シリーズ屈指の人気ユニットである「ガァルマゲドン」が結成されたエピソードなんですが、何が良いかってガァルルとあろま&みかんの友情が最高なんですよ。
ガァルルは夢に挫折した女の子達の夢から生まれた存在であるが故に、歌もダンスも苦手。人一倍努力をしても出来ない事は多い。だからあろま達とチームを結成したいと思っても、あろま達に「本当にガァルルでいいのか?」と聞いてしまう。
それを聞いたあろま達が「ガァルルだからいいのだ」とガァルルの不安さを笑い飛ばすのが本当に良い。
ガァルルよりも優れた能力を持つ人達はいっぱいいる。それは間違いない。でもあろまとみかんがチームを結成したいと思ったガァルルはこの世界にたった一人しかいない。他の誰でもない、ガァルルだからチームを結成したいと思った。
そういう話を展開した上で、ガァルルがあろまやみかんとチームを結成するために、思い一つで「ボーカルドール」の持つ「トモチケを交換することが出来ない」という運命を克服するというのがもう滅茶苦茶泣けるんですよ。
誰かのためじゃない。「自分だから良いんだ」と言ってくれたあろまとみかんのために、三人でライブをするためにガァルルが頑張る姿がもうね。泣くしかないじゃないですか。
この105話は本当に色んな人を救う一話じゃないかなーと思います。
114話「急げ!神アイドルグランプリ!」
こちらは紫京院ひびき達のチーム結成のお話。
二期で身を挺して自分を守ろうとしてくれたふわり達のおかげで「友達も悪くない」と考えを改めたひびき様。しかしいざチーム結成となるとどうしても「友達」というものに誓いを立てることが出来ない。神アイドルグランプリ参加までのタイムリミットは刻一刻と迫ってくる……というエピソードなんですが、重要なのは「ひびき様が友達を全面肯定できるようになったわけではない」ということ、そして「それでもチーム結成をしたいと思ったのはなぜか」ということを描ききっている点。
二期までの物語を踏まえつつ、「では今のひびき様にとっての友達とは」というところを丁寧に描き抜いているのは本当に凄いことだと思います。あとここに時間を割けるのも一年物だからこそですね。
120話「甘くはいかないノンシュガー」
そして101話で「らぁらに勝つためには仲間を見つけないと」ということに気付かされた真中のんがチーム結成を果たす回。
ノンシュガーの良いところは「互いが互いを補い合う」ではなく、それぞれの長所を活かし合うことで調和が取れるということ。
そこを月川ちりの「プリパラの外では自分を出すことが出来ない」という部分と組み合わせ、「三人の強みを活かし合うことでチームを完成させる」という話に仕立てた点が印象深かったです。あとノンシュガーは可愛い。
ジャンケンとか遊び心があるワチャワチャ感も大好きです。
130話「女神の想い、ママの誓い」
「森脇真琴監督、凄いなー」と思ったエピソードはこれですね。
このままだとジュルル(ジュリィ)は消滅する。本人はそれを運命として受け入れているけど、私達はそれを認めない。だから神アイドルになって、奇跡を起こしてみせる!とらぁら達が誓う話なんですが、何が凄いって神アイドルグランプリに出場する全員が「ジュルルを救ってみせる」という誓いを立てているところなんですよ。そしてその誓いに納得できるところもまた凄い。
これは一年かけて、全員がジュルルと確かな関係を構築しているからこそ出来る事なんですが、これにより毎回「勝つ理由」「負けた理由」を丁寧に描く必要が出てきて、一回ごとにちゃんと盛り上がったのも凄くて。
神アイドルグランプリの面白さを作り出した一話だと思っているので外せないですね。
134話「バレンタインは甘くない」
らぁら対のんの決戦はバレンタインに。
この話、滅茶苦茶好きなのは実力的な部分じゃなくて「積み重ねてきた時間の差」という答えを用意していたところなんですよ。
「そらみスマイルに比べてノンシュガーはまだまだ結成したばかり。実力的には肉薄していても、その時間の差はやっぱり絶対的なものなんだ」というのはある意味残酷な結論ではあると思うんですが、でもそれって逆に言えば「らぁら達が積み重ねてきた思い出と同じぐらい、のん達にも思い出がある」ということで一つの祝福であり、福音なんですよね。
そこをキラキラとした輝きの中で描ききっているのがもう凄い。怪物すぎる。
135話「スマイル0%」
こっちはらぁら達が挑戦者のお話。
トリコロールとそらみスマイルって実力的にはトリコロールの方が上です。『プリパラ』という作品は別にらぁら達が滅茶苦茶強いわけじゃないので。というかトリコロールが強すぎるんですよ。だって二年目までのラスボス達がチームを結成しているようなものですから。ラスボスがそのまま仲間になってるので実力的には落ちないし、むしろチーム結成した分だけ伸びているから「まともにやったら勝ち目がない」。
でも勝たないとジュルルを救うことは出来ない。
「そこをどうやって埋めていくのか」というのが主な話になるんですけど、キャラクターの格を下げること無く、「その理屈なら確かにそらみスマイルが勝つのも当然」と思わせる理由を用意してきたのがすごかった。
136話「3年目のテッパン」&137話「決戦!神アイドル」
そしてライバルであるドレッシングパフェとの決戦ですね。
何だかんだで三年間良好なライバル関係を築き、時には仲間として難題に立ち向かっていた6人が「神アイドル」という名をかけて競うのはなんというか、「この日が来てしまったか」と「互いの手の内を知っているからこそ」が入り混じりつつも、「どっちが勝っても讃え合うんだろうな」という安心感があって最高にえもいんですよ!
三年間の一つの集大成です。
138話「誕生!?神アイドル!」
物語が始まった当初から存在だけは語られていた神アイドル。
その神アイドルになるための最後の試練は女神を超えること。
女神を超えるために、これまで絆を紡いできたみんなの想いで綴った最高の歌で挑む!という展開なんですが、もう何が良いって「女神がいることで楽曲が完成する」ということ。
つまり「あなた(ジュルル)がいなければこの歌は完成しない=あなたの存在はこの世界に不可欠なんだ」という話になってるんですよ……。
滅茶苦茶泣いたし、そこに乗っかってくるのがね。もう……。
139話「愛フレンド友」
事実上の最終回。
アイドルを導く女神がプリパラの中から消滅したことで、プリパラそのものが崩壊していく。そんなプリパラを救えるのは神アイドルの歌だけ!
世界が崩壊していく中、そらみスマイルは歌い始める……という、この三年間ずっと繰り返されてきた「みんなの力で奇跡を起こす」の文脈なんですが、ココに来て本当に「みんなの力」というものを見せつけてくるのが凄いんですよ。
み~んな友達!み~んなアイドル! どんな夢でも叶う場所!
そういう場所だと信じるプリパラアイドル達の組曲。
是非聞いてください。
プリパラは好きぷり? じゃあ大丈夫ぷり!
最後に
今回は神アイドルグランプリ絡みのエピソードだけをピックアップしたので来週は「それ以外」で紹介していきたいと思いますが、神アイドル編ってそもそも「一つの集大成」として作られているので、この記事でも取りこぼしもあります。
なのでできれば全話見ていただきたいですね。
特に終盤の10話ぐらいは!ちゃんと!見てください!
プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。