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WEDGWOODの「ワンダーラスト」カップ&ソーサー(私の暮らしを彩るもの#2)

お皿は実用派。使うものしか買わない。
貰ったものも基本使う。

そんな私が持っている食器の中で唯一、これは勿体なくて使えないというのがこのワンダーラストのカップ&ソーサーである。

これは大学3年生の時、サークルのメインイベントを終えた際に、同じパートの後輩が選んでくれた、パートからのプレゼント。
水色の綺麗な箱を渡されて、帰り道にどうしても気になって、夜道をみんなで歩きながら開けた思い出の品。

プレゼントという時点で絶対に割ってはいけない感じがするが、それだけではない。

なんて私のツボを押さえているんだ、優秀な後輩たちよ。
この大ぶりな花柄、パキッとしたイエロー、金色の縁取り。
とても強くてカッコよくて豪華で綺麗。

紅茶を注ぐと、黄色と紅いお茶の色の相性がすごくよくて、作品みたいに美しい。

今まで使っていたマグカップもかわいいけれど、中身も含めた綺麗さが堪らなく好き。

割りたくないなあと思っていたけれど、割れちゃったら金継ぎしてもすごくきれいだと思う。
いっそ割れたほうがオリジナリティが出るとさえ思う。割らないけれど。

ちょうどその次の日、大学の日本史の授業で陶磁器の勉強をした。
イギリスは陶磁器が有名だけれど、最初から上手く作れたわけではなかったこと。
日本の有田焼や柿右衛門様式の模倣で技術が伝わったこと。

イギリス!お茶!WEDGWOOD!というイメージがあったけれど
その長い歴史に色々な苦難があったと知り、さらに思い入れが深くなった。

今売っているものは簡単に作れるものかもしれない。
それでも高価なものを敢えてプレゼントしてくれたこと。
プレッシャーが続いて夜眠れなくて、ハーブティーを飲んで寝ようと試みていると話したのを覚えていたこと。
それを心配して、選んでくれたこと。
一緒にもらったアップルフレーバーのハーブティーが美味しかったこと。
あの日の演奏が良かったこと。

何でもすぐに忘れちゃうけれど、「ずっと覚えていたいから」という動機で書き記そうと思うくらい、嬉しかったんだ。


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