てぃくる 893 半球
「私は点から球になり、それから半球になるの」
「そのあとは?」
「点に戻って、また球に膨らみ、最後は割れちゃう」
「一番きれいな時は今。半球の今、なの」
「そんなことないさ。君はいつだってきれいだよ」
「あらお上手ね」
◇ ◇ ◇
カンツバキの半球。
メジロが顔を突っ込んで蜜を吸っているのをよく見かけます。花粉を媒介するベクター(運び屋)は、カンツバキの場合メジロなんだろなあとか思いながら。青空を食べているカンツバキの半球を眺めて。ゆるゆると午後が行き過ぎます。
昼飯終はり微温茶の映す寒椿
(2022-03-25)
Hemisphere by Yumi Zouma