てぃくる 658 幸福のかたち
巨大な幸福が粉々になった瞬間か
小さな幸福が無数に集まった姿か
一般的にはミモザと呼ばれることが多い、フサアカシアの花。満開になると、鮮やかな黄金色が見る者を魅了します。でも、一つ一つの花はすごく小さいんですよ。
決して花期の長い花ではありません。どんとフラッシュして褪せる感じ。その咲き様は一瞬で燃え尽きてしまう幸福の形に見えます。でも一つ一つの花は一年かけてこの時に備え、今年も約束を果たしたのです。点火はずっと前から始まり、これからも連綿と続くのでしょう。それもまた、幸福の形。
満開の花を見上げ、わたしにとって幸福の形とは何かを考えます。あれやこれやと考えているうちに、いつの間にか花は散っていました。
ああ、今年もようわからんかったわ。まあ、ええか。
切り花のミモザはすでに朽ちて消ゆ
(2020-03-20)