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てぃくる 1045 夏の翼
わたしたちは 夏には飛べない
翼はあっても 夏には使えないんだ
それでも
わたしたちを見て みんな口々に言うんだ
翼があるなら 飛べばいいのにって
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だから わたしたちは言い返す
ねえ あなたたちには翼がないよね
翼がないくせに 無責任なことを言わないで!
イヌシデは果穂に苞が発達し、翼のように見えます。苞の根元に種子があり、秋に種子が熟すと苞が風を受けて種子を遠くに運びます。まだ果軸から苞が外れない夏の間は、翼はあっても使われないということですね。
◇ ◇ ◇
能力があるのに、なぜそれを使わないの? よく言われるフレーズですが、問いかけられた人の薬にならず毒と化すことも多いように思います。
能力や才能というものは、発掘し、訓練し、使いこなすところまで一式整えて、初めて機能するものだからです。指導者を要することもあれば、活かす環境に恵まれないこともあります。本人の気づきや努力だけではいかんともしがたいというケースも多いのです。
確かに翼は誰でも備えているのでしょう。ですが、その翼の使い方は本人にしかわかりませんし、本人にしか意味がありません。
翼があるのにと無責任に言い放つ前に、まず己の翼を点検した方がいいのかなと。つい、思ったりします。
才を活かせず
才に食われることもあるのだ
(2023-08-30)