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てぃくる 59 笑う門には福来る
「あけましておめでとうございますー! 花ですー!」
「あけましておめでとうございますー! 月ですー!」
「「二人合わせて、花月ですー!」」
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「なあなあ、はなちゃん」
「なんや、つきちゃん」
「あてら、挨拶したらな。そこの不っ細工なおっちゃんが、あてらのどこが花月ってツラや、しょんべんで面洗って出直して来い抜かしよったで?」
「そらあ、しゃあないわ」
「なんでや!」
「あてはともかく、あんたのはどう見てもあかんやろ」
「どこがや!」
「どこがって言えへんくらい、どこもかしこも壊れとるで?」
「どたまが壊れてるあんたよりマシや!」
「ほげー」
「まあ、ええわ」
「立ち直り早いなー」
「年度末ちこなってきたさかい、道路工事のおっちゃんに、一緒に直してもらうわ」
「化粧落とすんに削岩機が要るんかい! 難儀なやっちゃなあ……」
「ええやろ! 防弾仕様や!」
「顔面凶器かいな。とほほ……」
「せやけどはなちゃん、そんな薄化粧はあかんで」
「なんでや?」
「あほ丸出しやがな」
「かまん。あては、ほんまにあほやさかい」
「あんたはよくてん、あてが困る。あほがうつる」
「もう遅いわ。あほやないと、ここには立てへんで」
「ほな、あてもあほや言うんか?」
「そやないか。こてこてや」
「いややー! あて、もういややー! こんなセイカツー!」
「セイカツがあかんなら、コンカツせえ。ハムカツはあかんで、あれはやっすい分、ハズレが多いさかい」
「なんの話や、まったく……」
「なあ、つきちゃん」
「ふん?」
「さっきあてらのこと、ぼろっくそに言ったくっさいおっさんがそこにいてるやろ?」
「ああ、つまらん漫才はさっさと終わらせぇ言うとるな」
「しゃあない。あてが今オトすさかい、あんたは黙っとれや」
「ええー?! なんだあてがオチやったらあかんのん?」
「そんなん、当たり前やろ!」
ここでツキ落とすと一年パーや!
☆ ☆
お後がよろしいようで。
カゲツ。
通称は『金のなる木』ですね。
古くから栽培されている古い品種は、よほどの大株にならないと花芽が上がらないため、最近は一歳花月という花上がりの早い品種が多く出回っています。
花が咲くことを『花が笑う』と表現することがあります。花にいっぱい笑ってもらうためには、わたしたちももっと笑わないとね。
(2014-01-02)