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てぃくる 277 最後の熱
最後の熱を掴み取ろうとして
指の隙間から虚しくこぼれ落ちる入り日
もうすぐ手が握れなくなる
寒さにかじかんでぱりぱりに縮こまるから
それまでのわずかな間
ほんの一握りの日差しでいい
僕に握らせてくれないか?
最後の熱を感じさせてくれないか?
ねえ……
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ノブドウの葉が、色付く前に萎れてきました。
近付く冬の足音は硬く、冷徹です。
わたしも、ジャケットの襟を立てることにしましょう。
日差しが首元に届かなくなることよりも、己の熱を逃がさない方がまだ暖かいから。
(2016-12-11)