見出し画像

てぃくる 21 ペア

きみとぼく
ふたりでひとつ

ふたりでわらい
ふたりでおどり
ふたりでおわる

きみはきみ
ぼくはぼく

だけどぼくらは
ふたりでひとつ
ふたりでひとつのぺあ

 キンギンボクの花が咲き出しました。スイカズラの仲間なので、花の印象もスイカズラによく似ています。咲き始めは白い花が、徐々に黄変し、金銀混じって見えることからキンギンボクの名があります。
 ヒョウタンボクとも呼ばれますが、赤い実が生るとなるほどと頷けます。二つの実がぴったり寄り添う形で実り、それがひょうたんの形に見えるんですね。

 二つで一つ。そういう実の特徴は、花のうちからきちんと分かります。
ペアでぴったり寄り添って咲く様子は、とても微笑ましいですね。

 花は清楚で、実の赤も美しいですし、大きくならず、丈夫で育てやすい灌木なんですが……。そんなにあちこちに植えられているということでもないですね。スイカズラやウグイスカグラの方がずっとポピュラーだと思います。それには、ちゃんと理由があります。

 実はこの植物。猛毒なんです。『嫁殺し』なんていう物騒な俗名もあるくらいで。

 ウグイスカグラの実は食用、スイカズラは花や茎葉を薬用にしますが、ヒョウタンボクは間違っても口に入れられません。さすがに気軽に庭に植えられませんよね。
 でも、この植物も種子分散を鳥に頼っているはず。どんな鳥がこの猛毒の実をついばむんでしょう。そいつの胃袋を覗いてみたいものです。

 わたしの面の皮と、どっちが厚いかなー。

(2013-04-18)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?