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てぃくる 202 穴

穿ち

入り

潜み

見る

 穴は不完全性の象徴。穴がある限り、全き存在にはなり得ない。すでに穴だらけの我々は、穴のない存在でありたいと請い願う。
 しかし。ある時を境に、穴は我々にとって必定であることを悟る。そして、もっと穴を開けたいと思うようになる。

 穴を開ける者。穴に隠れる者。穴を見下ろす者。穴から見上げる者。
 無数の穴の内外に居て、まだどこかに穴が開けられないものかと探し回っているうちに。

 我々は穴に封じられるのだ。永遠に。

(2016-01-08)

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