てぃくる 518 器
「人としての器が大きいとか小さいとか言われることがあるけどよ」
「ああ」
「器の質を問われることはないんだよな」
「確かに。でも」
「うん?」
「泥ででかい器を作れば、汚れるけどいっぱい入る。でも極小の金杯は、高貴であっても何も入れられない。そういうことちゃうか?」
「うーん、それはわかるけどよ」
この器は俺たちに合わんよな
融通が利かない器に生えてしまったヒメオドリコソウ。その器なりの育ち方をし、その器なりの生を全うします。彼らに器を選ぶ手段がない以上、そうするしかないんです。
人間は動けるから、器を選べる? 本当にそうでしょうか?
結局、自分という器なりに生きている人が圧倒的に多いように思うんですよ。他人の器の大小良否をいくら気にしたところで、人の器の中に入ることはできませんし、他人を自分の器にぴったり収めることもできませんから。
豆腐脳 器ばかりが硬くなり
(2019-03-25)