てぃくる 34 踏み倒す
借りたお金は返さなくちゃいけませんが。返すあてもつもりもなければ、踏み倒すしかありません。
さて、どうすれば返さなくても済むべえか。返済を迫る貸し手がしゃあないと納得するような理由を何か考えなくてはなりませんよね。
なんちゃらまでには返す。期限を先延ばしにしてうやむやにしようとする手口ですが、一札取られるとさすがに逃れられません。ですから、なんちゃらのところを工夫する必要があるわけです。わざとらしいとすぐにギミックがばれるので、ちびっと工夫が要ります。
じゃあ、こんなのはいかがでしょう?
このお花が散る時に返します
いひひ。これは、ノリウツギ。紫陽花の仲間ですね。大きな装飾花の花弁に見える部分は実は萼です。しっかり花軸に合着してますから、花が終わった後も散り落ちることはありません。
花が枯れ落ちないことを知っていた先人は、この花が枯れるまでは実家に帰るなと娘を送り出していたそうで。うう。
ああ、そうだ。ノリウツギで借金を踏み倒せても、同時に信用や友情を踏み倒すことになることはお忘れなく。
おまへは
借りた言葉で愛を語り
借りた言葉で別れを告げた
おまへの言葉は
何処に或るのだ
おまへの真実は
何処に或るのだ
嘘をつひて
俺から借り出した言葉を返せ
そしてもう二度と
俺から其れを借りやうと思ふな
(2013-06-29)
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