てぃくる 1021 米を研ぐ
「なに? 米を研いだことないって?」
「ない」
「炊く前に研ぐってとこまでは調べたわけね」
「ううん。だから砥石が要るのかなあと思って買った」
「食べるとこなくなったでしょ」
「上新粉になった」
「砥の粉混じりの団子なんか食べたくないって」
「うー」
「で、次は洗剤入れて洗ったわけね」
「うん。きれいになるかと思って」
「まあ、きれいにはなるけど。ご飯が洗剤味になったでしょ」
「……」
「そいで、お母さんにやり方聞いたわけね」
「うん。心を込めてしっかり研げって」
「心を込めただけで研がなかったと」
「ついでに水入れるのも忘れた」
「炊飯器ごとぱーにしたわけだ」
「そ。ご飯食べさしてー」
心がしっかり研がれるまで 外で雨に当たってろ!
◇ ◇ ◇
今は精米技術が上がって、米に残っている糠がとても少なくなりました。親の仇とばかりにぎゅうぎゅう米を研ぐ必要はなくなっていると思います。そうは言っても、上の子の場合は研ぐ研がない以前のレベルなわけで。
これが、決して冗談じゃないんですよね。研がずに炊いちゃうのなんかまだましで。なんかいろいろやらかして、とんでもない炊き上がりにしてしまった話をよく耳にします。コメの消費量云々以前に、素材を調理するためには下拵えがいるという基本の『き』を知らないっていうのは、自活者としてどうなのかなあと思うんですけどね。
あ、画像のはコメではありません。ナンテンの花。ちょうど梅雨時期に開花するので、あえて研ぐ必要はなさそうです。
南天花 雨の嫉妬で揺らされる
(2023-06-15)
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