てぃくる 982 これからが本番
「お正月、終わったよ?」
「あほう! 俺たちゃ、これからが本番だ!」
ということで、ウラジロです。
見ての通りでこてこてのシダなんですが、わたしたちがよく目にする他のシダ類とはかなり性質が異なります。
まず。乾いたところが大好きです。ウラジロとコシダは、明るく乾いた林内に密生した薮を作ります。硬くてかさかさした感じのシダですね。
次に。シダには株立ちするものがとても多いんですが、ウラジロは段伸びします。画像を見ていただければわかると思いますが、新芽のくるくるは根元からではなく、前年の大きな羽片の付け根にできて、その先に伸びるのです。つまり、どんどん背が高くなります。横走する根でも広がりますが、葉を展開したあとは上に伸びるスタイルなんです。
もういっちょ。ウラジロはみっちり茂るので精力絶大のように見えるんですが、移植の非常に難しいシダです。生えているところではまっすぐ歩けないくらいこれでもかと茂るのに、掘り取って持ち帰ってもまず活着しません。見かけによらず気難しいシダです。
ウラジロの仲間は、熱帯では3メートル以上に伸び上がり、薮の中を歩けないほど密生するようです。お正月にみかんの後ろで取り澄ましているような、ヤワなやつではないんですね。その割に気難しいところもあるというのが、おもしろいなあと。
梯子段に蜜柑を置きながら上る
(2023-02-01)
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