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てぃくる 1019 努力はしてみるけど

 丈夫で管理が楽だということで、公園や緑地帯によく植えられるアツバキミガヨラン。ランとついていますが、もちろんランの仲間ではありません。キジカクシ科(旧ユリ科から分家。アスパラガスなどと同じ仲間です)で、原産地は北米。朴もの観葉植物でおなじみのユッカの一種です。
 一度花が咲くと枯れてしまうリュウゼツランなどと違い、アツバキミガヨランはほぼ毎年花を咲かせます。花自体は白系の地味な色目なのですが、なにせ花穂がでかい。ものすごーく目立ちます。画像はそのアップです。


 一つ一つの花がでかいので、これで結実したらえらいことになるだろうなあと思うんですが、結実したのを見たことがありません。それもそのはず。アツバキミガヨランの花の受粉はユッカガという特殊な蛾が担っていて、その蛾がいない日本ではどんなにがんばっても結実しないのです。実らないから花を咲かせないという芸当はできないわけで。一応努力はしてみるけど……ということなのでしょう。

 ちなみに、アツバキミガヨランの名付けには牧野富太郎博士のちょんぼが絡んでいます。興味を持たれた方は、調べてみてください。


白百合や宦官となりて俯く

(2023-06-09)

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