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てぃくる 332 薄紅の泡

 泡が弾ける寸前に美しく色付く。
 それは虚しくないか?

「いいえ。命を懸けた恋というのは、そういうものですから」

(サルスベリ)


 水泡に帰す。何もかもが無駄になってしまうことのたとえ。

 しかし。多くの人は、最後の『無駄になったという事実』しか見ない。
 弾け消える寸前の泡がどれほど美しいかを……見ない。

(2017-08-20)

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