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てぃくる 65 肌荒れ

「最近、どうも肌荒れがひどくてさあ……」

「おまえのは肌荒れってレベルじゃねえだろ!」

☆ ☆

 いや、肌は肌でも木の幹の肌です。荒れているのにもちゃんと理由があります。寒さや乾燥、野火、病害虫の侵入から樹体を守るのが樹皮の役目。だから、こういう超荒れ肌もあるってことですね。

 さて。
 この木、みなさんの身近にあるよくご存じのものの原料を提供してくれる木なんですが、お分かりでしょうか? のんべの方が分かるかな?

 はい。この木はコルクガシと言います。樹皮も外側と内側で構造が違うんですが、コルクガシの樹皮の内側が、あのコルクに加工されるんです。

 樹皮のほとんどは、樹木にとってすでに死んだ部分。そこを削り取っても、水や養分を運ぶ形成層を傷めない限り、また作り出されて蓄積していきます。コルクガシの生産地では、十年ほどの間隔でコルク層の採取を繰り返すのだそうです。
 樹皮の外側はコルクとして使えませんが、それは人間様の都合。木にとっては、荒れてる外側の方が防護服としてむしろ重要なのかも知れません。

ホットワイン飲めず膨れるコルク栓

(2014-02-14)

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