見出し画像

君はまるでダンスしてるみたいに

私の中で音楽熱が一番高かった時期は、もう今から十年前で、その頃は結成間もない世間的に無名のバンドや、まったく世代でもない古参の有名バンドも、自慢できることでもないが、ある程度知っていた。ちなみに、音楽は聴く専門で、演奏したことはない。親戚や友人に音楽活動をしていた人もいたが、その人達の演奏をまともに聴いたこともなかったくらいで、どこかのライブハウスに足繁く通っていたわけでもない。では、どうやって、そのような音楽関係の情報を仕入れていたかというと、今はもう無くなってしまったが、当時「路地裏音楽戦争」という音楽系の2chまとめサイトがあって、そのサイトをブックマークしていた私は、そこで更新される記事を閲覧して、音楽知識を仕入れていた。

「路地裏音楽戦争」の管理人は当時の大学生の方で、私もおそらく同年代だと推測していたが、とても同世代とは思えない程の古今東西、また、世に出たばかりのニューフェイス達の音楽に精通していて、私は舌を巻くのと同時に、そこのサイトの情報を大いに活用させてもらっていた。
当時は、背伸びをしたかった事もあって、マニアックなバンドを知っていることを得意にしていて、その情報源はほとんどが「路地裏音楽戦争」だった。残念ながら、そのサイトが閉鎖された後は、情報源がなくなり、その後似たような音楽系まとめサイト(そこは名前も忘れてしまった。)も時折見にいっていたが、そこもいつの間にか閉鎖していた。
そのタイミングから、私も日々の仕事が忙しくなっていき、今まで知らなかった未知の音楽を探ることもなかなか捗らなくなってしまった。今に至っては、若手のバンドなんて、ほとんど知らないと断言できる。しかし、その当時に知って、音楽性が自分の好みに合っていたバンドは、時折思い出してはユーチューブで検索してみたりした。残念ながら解散してしまったり、情報がまったく更新されていなかったりと、今も活動を続けているバンドは少数だが、その頃から知っているバンドで、今も精力的に活動しているバンドも何組かいる。

ふとしたきっかけで、「路地裏音楽戦争」のことを思い出していたが、そういえば、そのサイトで紹介されていたとあるバンドのメンバーの一人と今年縁あって一緒に仕事をしたんだなと思って、改めて時間の経過と、思いがけない巡り合わせに、しみじみ感激してしまった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?