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君の中で消えた炎とか

CMを観ていて鼻につくのが、自社のPRをわざとらしい演技で役者にペラペラと喋らせる事で、特に子供に大人の真似事をさせて、資金運用とか、年金問題とか、その年代の少年少女が絶対に考えようがない大人の関心事を子供に語らせているのは、観ているだけで嫌な気分になる。(それがコマーシャルというものだと言われれば何の反論も出来ないが。)

別に演じている役者に適切な報酬を支払っていて、役者本人もそれを了解して引き受けているはずなので、私がどうこう言う筋合いでもないけれど、他者にとある主張や思潮をスピーカーとして喋らせている時、そのスピーカーとなる人はどのような気持ちなのだろうと気になってしまう。人が心にもない事を何度も何度も口に出して発言していると、自身の感情が凍りついたりどこか鈍感になるというより麻痺していくものがあって、その人の精神に悪影響が生じてしまうと私は思っている。自分にはわからない世界だけど、CMに出演する役者には莫大な報酬が支払われていると思うので、大人であれ子供であれ、これも仕事ときちんと割り切っているのだと思う(そもそも役者が本心を語っていないと決めつけるのも失礼な話だけど。)けれど、そんな世界に慣れてしまうと明らかに心は歪むような気がする。

私はいい歳をしてお世辞がうまく言えないので、そこまで褒める事でもない有難くもないと思う時、誉言や労いの言葉をわざわざ口に出して言う事はしない。なぜなら本心はそう思っていないからで、この気持ちに嘘をついて(割り切って)虫の良い言葉を吐けよと言われれば、正直自分の心にモヤモヤとした気持ちが湧くし、表情にはわかりやすく陰りが見えるかもしれない。私自身がこのように子役よりも成熟していない面倒くさい性格をしているので、大人っぽくあろうとする子供や大人が求める子供象を演じている子供の姿を見ては複雑な気持ちになってしまう。

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