涙は俺のもの
男のメンヘラは救われないという事はよく言われる。まず、男は社会的に自分がメンヘラだと告白できないだろう。基本的に男が精神的な弱点を告白することはプライドが邪魔して相当な抵抗を覚えるし、そもそも、男が弱音を吐いても誰からも庇護されないし、誰からも構ってもらえないと自覚的で、そんな世間の風潮を分かり過ぎるくらい分かっているからそんな気持ちを内側に隠し、無理にでも強靭な男性性を演じてしまうのだと思う。対して、女性は自分の弱点を告白したとしても男女関わらず庇護されるし、そんな弱いままの自分自身を丸ごと異性から愛してもらえる可能性がある。いわば女性は「弱さ」を肯定される傾向にあるといえる。しかし、男性の「弱さ」はなかなか許されないし、弱い男性は同性からも異性からも疎ましく思われる傾向にある。男性は強くあるべきだという事を周りから求められ、そのような傾向にプレッシャーを感じつつも、簡単にそんな弱音を吐くことが出来ない。無理矢理にでも頑張るしかないという追い詰められた状態のまま、日々摩耗しながらもタフな男性性を取り繕うしかない。
男女の対立を煽るような内容を書いてしまったかもしれないが、基本的に上記した性差が現代社会の現実だと思っている。それは自分が男だから敏感に感じる状態なのかもしれないけれど、男側視点から見た一方的な意見だとも思うのだけれど、このような社会の風潮を実際に感じている。
個人的に最近はフェミニズムの運動が多方面で盛んなように感じる。「フェミニズム」と調べると、「女性解放思想、およびこの思想に基づく社会運動の総称であり、政治制度、文化慣習、社会動向などのもとに生じる性別による格差を明るみにし、性差別に影響されず万人が平等な権利を行使できる社会の実現を目的とする思想・運動である。女権拡張主義、男女同権主義などと訳されることもある。」と出る。男女同権ともあるが、フェミニズムと聞くと、冒頭に女性解放思想、女権拡張主義などのように「女」の字がまず先にくるのでまるで女性だけの問題のように思ってしまう。しかし、真のフェミニズムは男性の呪いも解放すると聞く。この運動が隆盛していく先にどのような社会に変革するかわからないが、真の意味で男女同権である社会になって欲しいと社会的に男性とされている私は思っている。