人こそ人の鏡なり
「あの人は周りの人に指示したりするひとだから、気をつけてくださいね。」
私は分かりました、と言って見守る。
利用者さんについてこっそり教えてくれる親切な職員さん。
この世界にくるまで、あまり知的・精神障害の方と密に接することがなかったので、「アピール」やら「指示」やら、ピンとこなかった。
結構当てはまる人がいるのだなあ。
小さな子供の、お母さん見て見て とはちょっと違うけど。
それも彼らのやり方でのコミュニケーションのひとつなのかなと。
「みずのさんあっちに行っててください。これはあとでいいです。」
親切なはずの職員さんに、私も指示される毎日。
心を穏やかに波が立たないようにして、人を通して自分をみつめる必要がある。
病院時代から深く感じていた、「人こそ人の鏡なり」。
どこへ行っても、良くも悪くも、人とのコミュニケーションでやっと自分を知ることが出来る。
彼らを見ているようで、自分自身を投影している。
逆もまた、しかり。