昨日と今日の日記
【今日】
・朝、通りかかった工事中の道で、始業前であろう空調服を着た作業員のおじさまが足元だけで小さく踊っていた。気だるい朝に小躍りすることも当然の権利であり豊かさだよな、とぼんやり思った。おつかれさまです。
・少し遅刻して学校に向かったので、乗り込んだバスに乗客が私1人きりだった。
1番好きな最後列の1番右端の席に座り、思う存分窓の外を眺めて過ごした。今の学校に通って5年経つのに、車窓の風景にもその間なんら大きな変化は無いのに、なぜか自分でも気づかぬうちにいつも窓の外を見ている。
運転手さんにいつもより少し丁寧にお礼を言って降車した。
・夏休み、短い。
【昨日】
・友達に連れられて吉祥寺で雑貨屋さんめぐりをした。文房具専門のお店を覗いたら廃版になった海図で作られた便箋が売られていて、こういうアイデアすごくいいなと思った。沢山の人の思いや尽力が込められて作られたものが生まれ変わってまた誰かが誰かに宛てる感情を媒介する、素敵なことだ。
・吉祥寺でよい看板をみた。
1000年前と対比させる言葉が明日なのが面白みと美しさを兼ね備えているし、商売への快活な貪欲さも感じられる。本に近しくフォントや配色がシンプルなのが個人的にすごく好み。
・古小物店でお風呂に入る猫の手ぬぐいと中身が何かわからない本を買った。
色々あって入浴に苦手意識があるので、これが目に入ったらすんなり入る気になれたりしないかなと思っている。しょうが色がかわいい。
中身が何かわからない本は、カバーにある書き出しの文のみを参照に自分の嗅覚で本を選ぼうという触れ込みで売り場に並んでいたのだが、その結果しっかり普段読んでいる作家の作品を引いてしまった。
中身は太宰治の『御伽草子』!いずれ買おうと思っていたのでラッキー。
とはいえ日本近代文学味を感じる……と冗談半分で言っていたら本当に当たったので中々びっくりした。包み紙はあとで加工してブックカバーにするつもりだ。いい思い出つきの本が手に入って嬉しい。