案件絵本① 芸能人の絵本
案件絵本…扱いに気を使う絵本のこと
これは私が心の中で勝手につけている言い方です。
テレビなどで活躍している芸能人の方で、絵本を出版される方は結構います。今思いつくだけでも、ダイゴさん、puffy、木村カエラさん、小島よしおさん、TT兄弟(チョコレートプラネット)、ひょっこりはん。。。
WEB専門の絵本サイト(こども教育向けにWEBだけで公開される絵本を公開しているサイトがあります)でも、爆笑問題の太田光さんやつるの剛さんなどが絵本を描いています。
芸能人が絵本を描かれることに対しては、私は何も意見を持つものではありません。タレントさんは多彩な方が多いし、絵本は小説よりは出版しやすいのもわかります。ここで、なぜ芸能人の絵本がなぜ案件絵本なのかというと、プロモーションがからんでくるから。
本部から目立つ場所におきなされ!とばかりにポスターや販売台、時にはサイン色紙込みでいきなりかなりの冊数が着荷し、場所をとる。
そしてプロの絵本作家の作品に比べると、積極的にお客様に勧めにくい(個人の感想です)のに、いつ媒体で紹介されるかわからないので、いつまでも目立つ場所に置いておかなくてはいけない。
そして、大体の絵本は正直言ってあまり売れません。特に絵を本人が描かれている場合は、ファンの方たち以外には絵に魅力があるとは思えないものが多い。
こんな理由で、芸能人の絵本の扱いは気が重いのです。
また、時には、本人が来店してサイン会をする場合もあります。書店員の方はお分かりかと思いますが、このサイン本の扱いもまた面倒です。
こんなわけで、芸能人の絵本は私の中で案件絵本にプロファイルされております。
ただ、稀にお勧めしたくなる芸能人の絵本もあります。
女優の室井滋さんがかかれた『しげちゃん」『しげちゃんとじりつさん』『あいたくてあいたくて』。とくに『しげちゃん』はすでに定番絵本ともいえるほど、本当に素敵な作品です。
カマキリ先生こと香川照之さんの本気の昆虫絵本絵本シリーズも片手間ではない本気度を感じます。
お笑いのひらたあきらさんが描かれた『むれ』もちょっとプロモーションの匂いはありましたが、継続的に売れています。
ところで、ひらたあきらさん以外のお二人はプロの絵本作家と組んで、絵はプロに任せてお話のみを担当して絵本を作っています。
私は、この形のコラボレーションがやはり芸能人の絵本にとって売れる大切なポイントなのかな思います。