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Photo by
tominagayuki
愁雨(詩)
不協和音の雨の中を僕は歩いている
走ってもどうせビショビショになるのだから
そんな強がりに似たあきらめの中で
僕は皮膚を刺す冷たい針を体中に浴びている
夜は更けて、人がいない町を
雨の洗礼を受けながら僕は歩いている
まぶたから雨の粒が落ちる
雨は靴の中にも入り込んで
僕の邪魔をすることだけを考えて降り続く
どうせならばいっそひと思いに
僕を地面に叩きつけてくれればいい
そうすれば、僕は歩く必要もなく
地球と一体化できるのに
不協和音の心を担ぎながら僕は雨の中を歩いている