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ジャンプ(詩)

昔の僕に連れられて
田んぼに挟まれた田舎道を歩く
カエルの合唱があちこちから聞こえるが
僕たちが近づくと静かになる
田んぼを覗いてカエルを一匹捕まえる
「鳴いてごらん」と言ってみても
カエルは大きな目で僕の顔を不思議そうに見ているだけ
手のひらを広げると
カエルは僕のシャツに跳び移り
肩まで這い上がると
田んぼに向かってジャンプした
そうだ 今がジャンプのときだ
泣いてばかりもいられない
昔の僕が手を繋いでくれて
「せえの」で二人でジャンプした

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