【詩あそび七十二候】霜止出苗
私たちを萎れさせたのは
いつだって優しげな顔で
注がれるものではなかったか
はるか天の高みから
与えられるのは
穢れのない正しさで
私たちは俯かなければならなかった
たおやかな乙女の風情で
輝きをもてはやされるのは
空を許されたものたちだけ
地にあるものはうつむいて
影を作らなければならない
光が光であるために
わたしたちは苗床である
いいえ全てのわたしたちは苗床であると規定されている
しかし空を飛ぶものたちがはじめに知るのは重力ではないのか
倒れた節々から
芽生えてくる命に
健やかであれと祈る
天と地は分かたれ
今日も互いの顔を見つめあう私たちの狭間で
幼い子が若草を踏む
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